流量・速度・面積の単位の換算と、資料ごとに係数が違う理由です。
内径・ロッド径と流量から、押し出し・引き込みの速度(mm/s)
流量の換算(L/min と cm³/s)
ダイキンの「よくわかる油圧講座」12 は、30 L/min を1秒当たりに直す例で、1 min = 60 sec なので 30 ÷ 60 = 0.5 L/sec、1 L = 1,000 cm³ なので 0.5 × 1,000 = 500 cm³ となり、「30L/min = 500cm³/sec」としています。
cm³/s を cm² の受圧面積で割ると cm/s です。内径 80 mm(A1 = 50.27 cm²)に 30 L/min を送ると、500 cm³/sec ÷ 50.2655 cm² = 9.95 cm/s = 99.5 mm/s で、Qc=A・V・6 から求めた速度と同じです。
速度の換算(mm/s・m/s・m/min)
1 m/s = 1,000 mm/s = 60 m/min、1 m/min = 16.67 mm/s です。画面は mm/s を大きく表示し、m/min を添えます。例えば 106.9 mm/s は 6.42 m/min です。
資料によって速度の単位が違い、ダイキン T-2 の式の V は m/sec、東京計器の付1-5 の v は m/min、ダイキン T-7 の表と太陽鉄工の資25 は mm/s(mm/sec)で書かれています。このアプリの画面の速度 v は mm/s です。
受圧面積の換算(cm² と mm²)
1 cm² = 100 mm² です。ダイキン T-7 の表は cm²、太陽鉄工の資14・資15 の表は mm² で受圧面積を載せています。内径 63 mm の押側は 3,117.2 mm² = 31.17 cm² で、資14 は 3117 mm²、T-7 は 31.2 cm² と書いています。
係数が資料ごとに違う理由
| 資料 | 式 | A の 単位 | 速度の 単位 |
|---|---|---|---|
| ダイキン T-2 | Qc=A・V・6 | cm² | m/s |
| 東京計器 付1-5 | Q=A1・v×10⁻¹ | cm² | m/min |
| 太陽鉄工 資25 | V=1.67×10⁴×Qc/A | mm² | mm/s |
流量はどれも L/min(太陽鉄工は ℓ/min と書く)です。どの式も「速度=流量÷受圧面積」で、違うのは単位をそろえる係数だけです。内径 63 mm・20 L/min の押し出しは、ダイキンと東京計器の式で 106.9 mm/s、太陽鉄工の丸めた係数で 107.1 mm/s です。
10倍ずれる単位の取り違え
速度を mm/s で求めるつもりで、A を cm² のまま v = 1,000 × Q ÷ (60 × A) とすると、計算結果の単位は cm/s です。内径 63 mm・20 L/min では 1,000 × 20 ÷ (60 × 31.1725) = 10.7 で、これは 10.7 cm/s = 106.9 mm/s です。mm/s と読むと、速度を10分の1に見積もることになります。
式に単位を書き添えて、cm² と mm²、cm/s と mm/s をそろえてから計算すると、このずれは起きません。
出典
- ダイキン工業 油機事業部「よくわかる油圧講座 12. 油圧使用単位と計算例」: 3-2 流量の換算(30 L/min = 500 cm³/sec)
- ダイキン工業 油機事業部「テクニカルサービスデータ」(T-2 油圧装置の実際計画・T-7 油圧シリンダの選定): T-2 の Qc=A・V・6(V は m/sec)と T-7 の表(cm²・mm/sec)
- 東京計器「付録 技術資料」付1-5 主な計算式(油圧ポンプ、油圧モータ、シリンダ等): 付1-5 の Q=A1・v×10⁻¹(v は m/min)
- 太陽鉄工「油圧シリンダ 選定資料」(資14 シリンダ内径の選定・資15 引時油圧シリンダ理論出力表・資25 シリンダ速度によるポート径の確認): 資14・資15 の受圧面積の表(mm²)・資25 の V=1.67×10⁴×Qc/A
内径・ロッド径と流量から、押し出し・引き込みの速度(mm/s)