ダイキンの技術資料の速度範囲の目安と、内径ごとの受圧面積です。
内径・ロッド径と流量から、押し出し・引き込みの速度(mm/s)
ダイキン T-7 の速度範囲の目安
ダイキンの技術資料 T-7「油圧シリンダの選定」は、一般的なシリンダーの内径・ロッド径の表に「速度範囲めやす(mm/sec)」を載せ、「シリンダの動作速度が上の表の速度範囲に入っている事を確認します(最終的には当該シリンダメーカの取扱説明書をご確認下さい)。」としています。その理由は「速すぎたり遅すぎたりすると、摺動部シール材の劣化が進みやすく、内部モレの原因になりますので注意が必要です。」と書かれています。
目安は内径 32〜63 mm が 8〜400 mm/s、80〜125 mm が 8〜300 mm/s、140〜250 mm が 8〜200 mm/s で、内径が太いほど上限が低くなります。同じ資料には「範囲外での使用が必要な場合は、摺動部に特別な配慮が必要となります。」ともあります。
内径ごとの受圧面積と、目安の上限で押し出す流量
| 内径 D (mm) | 目安 (mm/s) | 押側 A1 (cm²) | 上限の流量 (L/min) |
|---|---|---|---|
| 32 | 8〜400 | 8.04 | 19.3 |
| 40 | 8〜400 | 12.57 | 30.2 |
| 50 | 8〜400 | 19.63 | 47.1 |
| 63 | 8〜400 | 31.17 | 74.8 |
| 80 | 8〜300 | 50.27 | 90.5 |
| 100 | 8〜300 | 78.54 | 141.4 |
| 125 | 8〜300 | 122.72 | 220.9 |
| 140 | 8〜200 | 153.94 | 184.7 |
| 160 | 8〜200 | 201.06 | 241.3 |
| 180 | 8〜200 | 254.47 | 305.4 |
| 200 | 8〜200 | 314.16 | 377.0 |
| 224 | 8〜200 | 394.08 | 472.9 |
| 250 | 8〜200 | 490.87 | 589.0 |
押側 A1 は A1=π/4·D² で求めた数で、小数第1位に四捨五入すると T-7 の表の押側の受圧面積と同じです。右の列は、目安の上限の速度で押し出すのに必要な流量 Qc=A1・V・6 です。例えば内径 63 mm を 400 mm/s で押し出すには 74.8 L/min が要ります。
この流量を、B形のロッド(35.5 mm・引側 A2 = 21.27 cm²)の引き込みにそのまま送ると 586.1 mm/s になり、目安の上限 400 mm/s を超えます。押し出しを上限の近くで使うときは、引き込みの速度も確かめ、流量制御弁で引き込みの流量を絞ります。
JIS の寸法と表に無い内径
表の寸法について、資料には「上表のシリンダ内径、ロッド径はJIS B 8367と一部異なっています(上表→JIS:22.4→22、35.5→36、71→70、112→110、224→220)が、上表のサイズが一般的です。」とあります。このアプリは JIS B 8367 の内径 220 mm を、表の 224 mm と同じ目安(8〜200 mm/s)で判定します。JIS の寸法のロッド径(例えば 36 mm)もそのまま入力して計算できます。表に無い内径(例えば 70 mm)は、速度は計算しますが目安は判定しません。
出典
- ダイキン工業 油機事業部「テクニカルサービスデータ」(T-2 油圧装置の実際計画・T-7 油圧シリンダの選定): T-7「油圧シリンダの選定」Step1 の表(ロッド径・受圧面積・速度範囲めやす)と<動作速度>・表の参考(JIS B 8367 との違い)
内径・ロッド径と流量から、押し出し・引き込みの速度(mm/s)