計算と実際の速度の違い、流量の調整、両ロッド形などの質問と回答です。
内径・ロッド径と流量から、押し出し・引き込みの速度(mm/s)
計算した速度より実際の速度が遅いのはなぜですか
この計算は、入力した流量がそのままシリンダーに入るとして速度を求めます。実際には、バルブやシリンダーの漏れ(ダイキン T-2 の損失流量 qI、東京計器の付1-5 の内部リーク QL)の分だけ、シリンダーに入る流量が減ります。ポンプの吐出し量も、容積効率(東京計器の付1-5 の ηv)の分だけ理論吐出し量より少なくなります。動き始めと止まる前の加速・減速の間も、この速度より遅くなります。
速度を遅くする(流量を調整する)にはどうしますか
流量制御弁で、シリンダーに入る油の量(メータイン)か、シリンダーから戻る油の量(メータアウト)を絞ります(ダイキン「よくわかる油圧講座」7)。絞った後の流量をこのアプリの流量に入力すると、その速度が分かります。メータアウトで押し出しの速度を決めるときは、戻る流量をロッド側の受圧面積 A2 で割ります(押し出しと引き込みの速度の違い)。
両ロッド形のシリンダーの速度は求められますか
ダイキンの「よくわかる油圧講座」13 に「シリンダロッドがピストンの両側に付いているタイプです。」とある両ロッド形では、どちらの向きにも、油はロッドの断面積を除いた面を押します。両側のロッド径が同じなら、このアプリの「引き込みの速度」が両方の向きの速度です。
速度範囲の目安を超えたら使えませんか
ダイキン T-7 は、速すぎたり遅すぎたりすると摺動部のシール材の劣化が進みやすく、内部漏れの原因になるとし、「範囲外での使用が必要な場合は、摺動部に特別な配慮が必要となります。」としています。表の目安は一般的なシリンダーの値なので、使うシリンダーのメーカーの取扱説明書で使用速度の範囲を確かめます。
エアシリンダーの速度も計算できますか
このアプリの式は、ダイキンの技術資料の「油圧シリンダの計算」にある、作動油の流量から速度を求める式です。エアシリンダーの速度は、このアプリでは求めません。
L/min と ℓ/min は同じ単位ですか
どちらも1分間に流れる量をリットルで表した単位で、同じです。太陽鉄工の選定資料は ℓ/min、ダイキンと東京計器の資料は L/min と書いています。
出典
- ダイキン工業 油機事業部「テクニカルサービスデータ」(T-2 油圧装置の実際計画・T-7 油圧シリンダの選定): T-2 の損失流量 qI・T-7<動作速度>
- 東京計器「付録 技術資料」付1-5 主な計算式(油圧ポンプ、油圧モータ、シリンダ等): 付1-5 の内部リーク QL とポンプの容積効率 ηv
- ダイキン工業 油機事業部「よくわかる油圧講座 7. メータイン制御・メータアウト制御」: メータイン制御回路・メータアウト制御回路
- ダイキン工業 油機事業部「よくわかる油圧講座 13. 油圧シリンダ」: 1-2-2 両ロッド形
内径・ロッド径と流量から、押し出し・引き込みの速度(mm/s)