現場マスター

変圧器の損失の計算

無負荷損・負荷損と負荷率から、全損失と年間の損失電力量・効率を求めます。

変圧器の全損失と効率

無負荷損

変圧器に電圧を加える(励磁する)ことで、負荷の大きさに関係なく鉄心から生じる損失です(三菱電機 配電用油入変圧器 総合カタログ)。主なものは鉄損で、電圧と周波数が一定なら負荷に関係なく一定です(第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 機械 問9)。

メーカーのカタログの特性[代表値]の表や、変圧器の試験成績書の値を入力します。カタログの代表値は保証値ではありません。

定格負荷時の負荷損

変圧器に電流が流れることで主にコイルから生じる損失で、負荷の大きさの2乗に比例します(三菱電機のカタログ)。主なものは銅損です。

定格電流を流したとき(定格負荷時)の値を入力します。カタログの「負荷損」、環境省の試算の「定格負荷時負荷損」、試験問題の「負荷損(定格電流通電時)」と同じ値です。

負荷率

負荷の大きさを、変圧器の定格容量に対する % で入力します。負荷損は負荷電流の2乗に比例するので、負荷率は 負荷の皮相電力(kVA)÷ 定格容量(kVA)× 100 です(定格電圧のとき)。

負荷が kW で分かっているときは、力率で割って kVA に直します。300 kW・遅れ力率 0.8 の負荷は 375 kVA で、500 kVA の変圧器なら負荷率 75 % です(第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問12 の条件)。

負荷が時間で変わるときは、等価負荷率(時間ごとの負荷率の2乗を時間で平均して平方根をとった値)を入力します(三菱電機のカタログの「等価負荷の算出方法」・説明の「等価負荷率の計算式」)。

年間の運転時間

1年間に変圧器に電圧を加えている時間です。1日24時間・365日なら 8,760 h です(環境省の試算・三菱電機のカタログの計算例と同じ)。

無負荷損は負荷の無い時間にも生じます。夜間や休日も電圧を加えているなら、その時間も含め、負荷率の欄はその時間全体の等価負荷率にします。

効率を求めるとき(任意)

定格容量

変圧器の銘板の定格容量(kVA)です。出力 = 定格容量 × 負荷率 × 力率 で、効率 = 出力 ÷(出力 + 全損失)× 100 です。

メーカーのカタログの効率は、力率1・定格容量(負荷率 100 %)の値です(三菱電機のカタログの特性[保証値]の注)。

定格容量を入力すると、エネルギー消費効率の基準負荷率(500 kVA 以下は 40 %・超えるものは 50 %)の全損失も「計算の内訳」に表示します。

負荷の力率

負荷の力率を % で入力します(0.8 は 80)。

同じ負荷率でも、力率が低いと出力(kW)が小さくなり、効率は下がります(第三種電気主任技術者試験 令和7年度上期 機械 問9=力率100 % で効率98 % の変圧器は、力率80 % では97.5 %)。

無負荷損・負荷損・負荷率を入力すると、全損失を表示します。

計算の内訳