時間ごとの負荷率から、全損失の計算に使う等価負荷率を求めます。
変圧器の実際の負荷は時間で変わります。三菱電機の配電用油入変圧器の総合カタログは「等価負荷の算出方法」として、負荷の曲線を階段状に近似し、負荷時間を時間 Ti で区切って、その実負荷率を平均値 Pi で近似して等価負荷率を求めるとしています。
計算式
等価負荷率
Pe = √{(P1² × T1 + P2² × T2 + … + Pk² × Tk)
÷(T1 + T2 + … + Tk)}
Pi: 区切った時間の負荷率(%)
Ti: 区切った時間(h)
負荷損は負荷率の2乗に比例するので、負荷率をそのまま平均するのではなく、2乗を時間で平均してから平方根をとります。
例(カタログの1日の負荷)
カタログの具体例は、1日(24 時間)の負荷を7つに区切っています。
| 時間 | 負荷率 | 負荷率² × 時間 |
|---|---|---|
| 7 h | 5 % | 175 |
| 3 h | 40 % | 4,800 |
| 2 h | 100 % | 20,000 |
| 1 h | 20 % | 400 |
| 3 h | 100 % | 30,000 |
| 3 h | 40 % | 4,800 |
| 5 h | 5 % | 125 |
| 合計 | 24 h | 60,300 |
Pe = √(60,300 ÷ 24)≒ 50.1 %
カタログはこれを 50 % として、約30年前の変圧器と EX-α シリーズ・EX-β シリーズの全損失を求めています(変圧器の損失の計算式の話題)。
単純な平均との違い
同じ負荷を時間で単純に平均すると 34.2 %です。約30年前の変圧器(無負荷損 1,880 W・負荷損 11,140 W)の全損失は、等価負荷率 50.1 %では 4,679 W、単純な平均の 34.2 %では 3,180 Wです。単純な平均では負荷損を少なく見積もります。
区切りごとの損失電力量と同じになる
区切りごとに 全損失 × 時間 を求めて合計した1日の損失電力量と、等価負荷率の全損失に 24 時間を掛けた損失電力量は同じ値です。約30年前の変圧器なら、区切りごとの合計が 112.3 kWh、等価負荷率からが 112.3 kWhです。
計算の画面で使う
同じ形の負荷が毎日続くなら、負荷率の欄に等価負荷率(この例では 50.1)、年間の運転時間の欄に 8760 を入力します。平日と休日で負荷が違うときは、1年間の区切り(平日の昼と夜・休日など)を全部並べて、同じ式で1年間の等価負荷率を求めます。区切りの時間の合計が、年間の運転時間です。