説明

変圧器の損失の計算のよくある質問

変圧器の損失と効率の計算で迷いやすい所と、計算結果の扱いです。

負荷率はどう求めますか

負荷の皮相電力(kVA)を変圧器の定格容量(kVA)で割って 100 を掛けます。負荷損は負荷電流の2乗に比例するので、定格電圧なら電流の比と同じです。負荷が kW で分かっているときは、力率で割って kVA に直します。300 kW・力率 0.8 の負荷は 375 kVA で、500 kVA の変圧器なら負荷率 75 % です(第三種電気主任技術者試験 令和4年度下期 法規 問12 の条件)。

負荷が時間で変わるときは

時間ごとの負荷率から等価負荷率を求めて、負荷率の欄に入力します(等価負荷率の計算式の話題)。負荷率を単純に平均すると、負荷損を少なく見積もります。

無負荷損と負荷損の値はどこに書いてありますか

メーカーのカタログの特性の表(三菱電機のカタログでは特性[代表値])と、変圧器の試験成績書です。カタログの代表値は保証値ではなく、実際の製品は多少の増減があります。値が分からない変圧器は、形名・相数・容量・周波数・製造番号・製造年をメーカーに伝えて問い合わせます(三菱電機のカタログの FAX 技術サービスの用紙の必須事項。質問事項に「変圧器の特性」「省エネ診断」があります)。

力率に 0.8 と入力すると効率が表示されません

力率は % で入力します。0.8 は 80 です。1 以下の値は、小数で入力した誤りとして計算しません。

負荷をかけていないときの損失は

負荷率 0 % の全損失は無負荷損だけです。EX-α シリーズ(無負荷損 390 W)でも、1年間(8,760 h)電圧を加えておくだけで 390 × 8,760 ÷ 1000 ≒ 3,416.4 kWhです。無負荷損は電圧を加えている間ずっと生じます。

エネルギー消費効率と効率は違いますか

違います。効率は出力に対する割合(%)で、カタログの効率は力率1・定格容量(負荷率 100 %)の値です。エネルギー消費効率は、基準負荷率(500 kVA 以下は 40 %・500 kVA を超えるものは 50 %)における全損失(W)で、カタログは基準値との比を省エネ基準達成率として載せています。計算の画面は、定格容量を入力すると、基準負荷率の全損失を「計算の内訳」に表示します。

単相と三相で計算は変わりますか

変わりません。三菱電機の技術資料の単相と三相の表は、どちらも効率とエネルギー消費効率が、同じ式で無負荷損と負荷損から求めた値と同じです。

年間の運転時間は何時間にしますか

変圧器に電圧を加えている時間です。1日24時間・365日なら 8,760 h、うるう年は 8,784 h です。計算の画面は 8,784 h までを受け付けます。

全損失の小数はどう丸めますか

カタログは全損失を W の整数で書いています。計算の画面も W の整数(小数1桁目を四捨五入)で表示します。EX-α シリーズの 390 +(50 ÷ 100)² × 5,770 = 1,832.5 W は、カタログも計算の画面も 1,833 W です。年間の損失電力量は丸める前の全損失から求めるので、丸めた W から求めた値と少し違うことがあります。

計算結果の扱い

出典

変圧器の損失を計算する