説明

変圧器の最大効率の条件と負荷率(鉄損 = 銅損)

変圧器の効率が最大になる負荷率を、無負荷損と負荷損から求めます。

第三種電気主任技術者試験の令和4年度下期の機械(問9)は「変圧器の損失には主に鉄損と銅損があり,両者が等しくなったときに最大効率となる。」を含む選択肢を正しい記述としています。無負荷損(主に鉄損)と負荷損(主に銅損)が等しくなる負荷率で、効率が最大になります。

最大効率になる負荷率の求め方

無負荷損 = その負荷率での負荷損  Wi =(Pe ÷ 100)² × Wc 最大効率になる負荷率  Pe = √(Wi ÷ Wc)× 100 Wi: 無負荷損(W) Wc: 定格負荷時の負荷損(W)

計算の画面は、この負荷率を「計算の内訳」の参考に表示します。無負荷損が負荷損より大きいときは 100 % を超え、定格負荷までは負荷率が高いほど効率が上がります。

試験の例(最大効率)

令和5年度上期の機械(問9)は、定格容量 50 kV·A の単相変圧器で、力率1の全負荷のときの銅損が 1,000 W、鉄損が 250 W です。最大効率になる負荷率は √(250 ÷ 1,000)× 100 = 50 %で、そのときの銅損は 1,000 × 0.5² = 250 Wと鉄損に等しくなります。効率は 25 ÷(25 + 0.5)× 100 ≒ 98.04 %で、正答は 98.0 % です。

効率から鉄損と銅損を求める(試験の例)

令和7年度下期の機械(問15)は逆に、定格容量 50 kV·A の単相変圧器を定格電圧・力率 100 %・全負荷の 3/4 の負荷で運転したときに、鉄損と銅損が等しくなり効率が 98.2 % だったことから、鉄損と全負荷の銅損を問うています。

出力 = 50 × 3/4 = 37.5 kW 損失の合計 = 37.5 ×(1 ÷ 0.982 − 1)≒ 0.6874 kW 鉄損 = 損失の合計 ÷ 2 ≒ 343.7 W(正答 344 W) 全負荷の銅損 = 鉄損 ÷ 0.75² ≒ 611 W(正答 611 W)

計算の画面に 無負荷損 344、定格負荷時の負荷損 611、負荷率 75、定格容量 50、負荷の力率 100 を入力すると、全損失 688 W・効率 98.20 %で、最大効率になる負荷率は 75.0 % です。

カタログの変圧器の最大効率になる負荷率

カタログの計算例の変圧器と、技術資料のRシリーズの1台で求めると、次のとおりです。EX-α シリーズは無負荷損が小さいので、最大効率になる負荷率が低くなります。

変圧器最大効率になる負荷率
約30年前の変圧器
無負荷損 1,880 W・負荷損 11,140 W
41.1 %
EX-α シリーズ
無負荷損 390 W・負荷損 5,770 W
26.0 %
EX-β シリーズ
無負荷損 845 W・負荷損 5,670 W
38.6 %
Rシリーズ 三相 1000 kVA 50 Hz
無負荷損 1,410 W・負荷損 5,740 W
49.6 %

表の計算の列は、計算の画面と同じ計算でこのページを作るときに求めた値です。

最大効率になる負荷率は効率が最も高くなる負荷率で、全損失が最も小さくなる負荷率ではありません。全損失は負荷率が高いほど大きくなります。

出典

変圧器の損失を計算する