現場マスター

梁のたわみの計算

寸法・ヤング係数・荷重から梁のたわみを求め、1/250 以下かを判定します。

梁のたわみと判定

スパン L

梁の有効長さ(支点と支点の間の距離)です。告示第1459号の「有効長さ」に当たります。

mm で入力します(4 m は 4,000 mm)。

梁のせい h

せいは、荷重の向き(上下)の寸法です。断面二次モーメントは I = b h³ ÷ 12 で、せいの3乗に比例します。

告示第1459号 第一により、木造の床梁は、せい ÷ スパンが 1/12 を超えるときは、たわみの確認を要しません。

ヤング係数 E

曲げヤング係数です(N/mm²)。1 kN/mm² は 1,000 N/mm² です。

出典のスパン表は、機械等級区分の等級ごとに値を決めています。岩手県のカラマツは等級内の最小値(E70 は 5.9 kN/mm²)、群馬県は各等級の下側境界値(スギ E70 は 5,900 N/mm²)、島根県のヒノキは日本建築学会の木質構造設計規準の基準弾性特性値 E0(E110 は 10.8 kN/mm²)です。

木のいえづくりセミナーの例題は、E70 を 70 × 1,000 × 9.8 kgf/cm² = 686,000 N/cm²(6,860 N/mm²)としています。

荷重の入れ方

荷重の入れ方

「床の荷重×負担幅」は、固定荷重と積載荷重(N/m²)の合計に負担幅(m)を掛けて、梁 1 m 当たりの荷重 w(N/m)にします。

「梁の荷重 w」は、梁 1 m 当たりの等分布荷重(N/m)を直に入力します。

固定荷重

床の仕上げ・根太・床組・天井などの重さです(N/m²)。

床小梁の固定荷重を、岩手県のスパン表は 800 N/m²(間仕切りのある場合 1,100 N/m²)、島根県のスパン表は 2階の床組で 800 N/m²(床大梁は 1,100 N/m²)としています。

積載荷重

たわみの計算では、令第85条の表の(は)欄(地震力を計算する場合)の数値を使えます(告示第1459号 第二 一)。住宅の居室は 600 N/m² です。

床の構造計算用の(い)欄(住宅の居室 1,800 N/m²)は、衝撃や集中を考えた値です。たわみの計算には、荷重の平均の値(600 N/m²)を使います(林産試験場の解説)。

(は)欄の数値は、事務室 800・教室 1,100・百貨店又は店舗の売場 1,300 N/m² です。

負担幅

梁が荷重を受け持つ幅です(m)。隣り合う梁との間隔の半分ずつを受け持つとして、A ÷ 2 + B ÷ 2 で求めます(島根県のスパン表)。梁が等間隔なら、間隔と同じです。

変形増大係数 2・1/250 以下

スパン・断面・ヤング係数・荷重を入力すると、たわみを表示します。

詳しい設定

変形増大係数

変形増大係数

告示第1459号は、長期間の荷重で変形が増大することの調整係数(変形増大係数)を、木造で 2 としています。

岩手県のスパン表は、含水率 20% を超える未乾燥材に 3、20% 以下の材に 2 を使っています。

告示は、変形増大係数を載荷実験で求めたときは、その数値を使えるとしています。

判定の目安

判定の目安

告示第1459号は、たわみの最大値 × 変形増大係数 ÷ 有効長さ が 1/250 以下であることを確かめる、としています。

群馬県のスパン表は、告示の 1/250 を考慮して、長期のたわみを 1/300 以下にしています。岩手県のカラマツのスパン表も 1/300 です。

日本建築学会の木質構造設計規準は、梁の類のクリープ変形後のたわみを L/300 以下と推奨しています(木のいえづくりセミナーの付表)。

告示第1459号は、変形増大係数を載荷実験で求めたときは、その数値を使えるとしています。

計算の内訳