説明

変形増大係数とは(告示第1459号・木造は2)

告示第1459号の変形増大係数(木造は 2)の意味と使い方です。

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スパン・断面・荷重から、たわみと1/250の判定

変形増大係数とは

変形増大係数は、平成12年建設省告示第1459号の第二 二で、「長期間の荷重により変形が増大することの調整係数」と定められた係数です。はりや床版のたわみの最大値にこの係数を掛け、有効長さで割った値が 1/250 以下であることを確かめます。木造の値は 2 です。

δ × 変形増大係数 ÷ L ≦ 1/250 δ: 固定荷重と積載荷重によるたわみの最大値 L: 部材の有効長さ

告示の表は、構造の形式ごとに次の値を定めています。

構造の形式変形増大係数
木造2
鉄骨造1(デッキプレート版にあっては 1.5)
鉄筋コンクリート造(床版)16
鉄筋コンクリート造(はり)8
鉄骨鉄筋コンクリート造4
アルミニウム合金造1
軽量気泡コンクリートパネルを用いた構造1.6

ただし、変形増大係数を載荷実験で求めたときは、その数値を使えます(告示第1459号 第二 二のただし書)。

なぜ掛けるのか(クリープ)

部材に荷重を加えると、荷重の大きさに応じて変形します。木質の部材は、荷重を取り除かずに長い時間がたつと、最初よりも変形が大きくなっていきます。これをクリープといいます。北海道立総合研究機構 林産試験場の解説は、長期の荷重(固定荷重と積載荷重)の目安を 50 年としています。長期間の荷重を受ける梁のたわみは、短期間のたわみより大きく見積もる必要があり、そのための係数が変形増大係数です。

同じ解説によると、告示より前は、長期のたわみを計算するときにヤング係数を 1/2 倍して式に代入していました。材料に固有の数値であるヤング係数を変えるのは不合理だという指摘があり、計算結果は同じまま、変形増大係数を掛ける形になりました。木造の 2 は、ヤング係数を 1/2 にするのと同じことです。

未乾燥材の変形増大係数

岩手県林業技術センターのスパン表(スギ・カラマツ)は、最近の試験結果を参考にして、含水率 20% を超える未乾燥材に 3、含水率 20% 以下の材に 2 を使っています。このアプリの「詳しい設定」で変形増大係数を 3 にできます。

例: 木のいえづくりセミナーの例題の梁(最大たわみ 6.91 mm)は、変形増大係数 2 なら 13.8 mm(1/289)で 1/250 を満たしますが、3 にすると 20.7 mm(1/192)で、制限値 16.0 mm を超えます。

確認が要らない梁(告示第1459号 第一)

告示の第一は、使用上の支障が起こらないことを確かめる必要がある場合を、部材ごとの条件式で決めています。木造のはり(床面に用いるもの)は、D ÷ l > 1/12(D はりのせい・l はりの有効長さ)を満たす場合以外の場合です。つまり、せいがスパンの 1/12 より大きい梁は、この確認を要しません。鉄骨造のはりは D ÷ l > 1/15、鉄筋コンクリート造のはりは D ÷ l > 1/10 です。

出典

告示と政令のほかは、式と数だけを引いています。

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