説明

木造の梁のたわみの許容値(スパンの1/250・1/300)

告示の 1/250 と、スパン表が使う 1/300 の違いです。

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スパン・断面・荷重から、たわみと1/250の判定

告示のたわみの制限(スパンの 1/250)

建築基準法施行令 第82条第四号は、国土交通大臣が定める場合に、構造部材の変形や振動によって建築物の使用上の支障が起こらないことを確かめるよう定めています。その方法が平成12年建設省告示第1459号です。たわみの最大値に変形増大係数を掛け、有効長さで割った値が 1/250 以下であることを確かめます。

木造は変形増大係数が 2 なので、変形増大係数を掛ける前の最大たわみで言えば、スパンの 1/500 以下にすることになります(木のいえづくりセミナー 2-5)。

スパン1/2501/300δ の上限
1,820 mm7.3 mm6.1 mm3.6 mm
2,730 mm10.9 mm9.1 mm5.5 mm
3,640 mm14.6 mm12.1 mm7.3 mm
4,550 mm18.2 mm15.2 mm9.1 mm
5,460 mm21.8 mm18.2 mm10.9 mm

表の 1/250・1/300 は、変形増大係数を掛けたたわみの制限値です(スパン ÷ 250・スパン ÷ 300)。「δ の上限」は、1/250 の制限値を木造の変形増大係数 2 で割った値(スパン ÷ 500)で、変形増大係数を掛ける前の最大たわみの上限です。スパンは 910 mm の倍数の例です。

1/300 で作られたスパン表

群馬県林業試験場のスパン表は、告示の 1/250 以下の基準を考慮して、長期のたわみを 1/300 以下にしています(短期の積雪時と、耐力壁が取り付く横架材の地震時は 1/225、母屋・棟木は長期 1/200)。岩手県のカラマツのスパン表も 1/300 で計算しています。一方、島根県のヒノキのスパン表は、床小梁・床大梁を 1/250、小屋梁と軒桁を 1/150(固定荷重と積載荷重)としています。

日本建築学会の木質構造設計規準は、クリープ変形後のたわみの推奨値を、梁の類で L/300 以下、床板・根太の類で L/450 以下(板張り)・L/300 以下(畳敷き)、母屋の類で L/200 以下としています(木のいえづくりセミナーの付表2-5による)。

このアプリは「詳しい設定」で判定の目安を 1/250(告示)か 1/300 から選べます。木のいえづくりセミナーの例題の梁は、変形増大係数を掛けたたわみが 13.8 mm なので、1/250(16.0 mm)は満たしますが、1/300(13.3 mm)は満たしません。

スパン表の値と、このアプリの計算

島根県のスパン表の「スパン表の見方」は、一般地・床小梁のスパン 3.0 m・間隔 2.0 m・E110・幅 120 mm なら、せいは 180 mm 必要としています。表の条件(固定荷重 800 N/m²・たわみ算定用の積載荷重 600 N/m²・ヤング係数 10.8 kN/mm²・変形増大係数 2・L/250)で計算すると、せい 180 mm は 9.4 mm(1/319)で満たし、せい 150 mm は 16.2 mm(1/185)で満たしません。たわみだけで決めると、幅 120 mm のまま必要なせいは 166 mm 以上です。スパン表は曲げ・せん断・たわみの全部を満たす最小の断面を、製材の規格の寸法から選んでいます。

出典

告示と政令のほかは、式と数だけを引いています。

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スパン・断面・荷重から、たわみと1/250の判定