梁の自重・単位・ヤング係数・強度の検定など、よくある質問です。
スパン・断面・荷重から、たわみと1/250の判定
梁の自重は入っていますか。
入っていません。床の荷重×負担幅で求めた荷重だけで計算します。梁の自重を加えるときは「梁の荷重 w」を選び、床の荷重×負担幅に自重を加えた値(N/m)を入力してください。
ヤング係数の単位が kN/mm² や kgf/cm² のときは、どうしますか。
N/mm² にしてから入力します。kN/mm² の値は 1,000 倍します(10.8 kN/mm² は 10,800 N/mm²)。N/cm² の値は 100 で割ります。kgf/cm² の値は 9.8 を掛けて N/cm² にし、100 で割ります。木のいえづくりセミナーの例題は、E70 を 70 × 1,000 × 9.8 kgf/cm² = 686,000 N/cm²(6,860 N/mm²)としています。
E70 や E110 のヤング係数は、いくつを入力すればよいですか。
E70・E110 は、曲げヤング係数で区分した機械等級です。スパン表によって使う値が違います。出典のスパン表は、機械等級区分の等級ごとに値を決めています。岩手県のカラマツは等級内の最小値(E70 は 5.9 kN/mm²)、群馬県は各等級の下側境界値(スギ E70 は 5,900 N/mm²)、島根県のヒノキは日本建築学会の木質構造設計規準の基準弾性特性値 E0(E110 は 10.8 kN/mm²)です。使う値は、設計の条件に合わせて決めてください。
スパンには何の長さを入力しますか。
梁の有効長さ(支点と支点の間の距離)です。告示第1459号の「有効長さ」に当たります。支点と支点の間の距離を mm で入力します。
曲げとせん断の検定もできますか。
できません。このアプリはたわみだけを計算します。岩手県のスパン表は、単純梁・等分布荷重の最大曲げモーメント M = W L² ÷ 8 と最大せん断力 Q = W L ÷ 2 から、曲げ応力度 σ = M ÷ Z(許容曲げ応力度 × 寸法調整係数 以下)と、せん断応力度 τ = 1.5 × Q ÷ A(許容せん断応力度 以下)も確かめています。梁の断面は、たわみと強度の両方で決めます。
集中荷重や片持ち梁のたわみも計算できますか。
できません。単純梁に等分布荷重がかかる場合だけです。中央の集中荷重は δ = W L³ ÷(48 E I)、片持ち梁の先端の集中荷重は δ = W L³ ÷(3 E I)です(木のいえづくりセミナーの表2-14)。
切り欠きのある梁はどうなりますか。
群馬県のスパン表は、仕口の切り欠きによる断面欠損を見込んで、断面性能(断面積・断面係数・断面二次モーメント)を、片側(胴差・軒桁)と上側で 10%、両側(大ばり)で 20% 低減しています(条件によって 30%)。島根県のスパン表の断面欠損率は、床小梁 0%・床大梁 20% です。このアプリは断面欠損を見込みません。
せいがスパンの 1/12 を超える梁も計算しますか。
計算します。告示第1459号 第一の表: 木造のはり(床面に用いるもの)は、D ÷ l > 1/12(D はりのせい・l はりの有効長さ)を満たす場合以外の場合に、使用上の支障が起こらないことの確認が要ります。その梁では、計算結果の下に確認を要しないことを1行で知らせます。
計算結果をそのまま使えますか。
計算値は目安です。曲げ・せん断の検定と、構造の安全の確認は、設計者・監理者が行ってください。
計算の前提
- 両端を単純に支えた梁(単純梁)に、等分布荷重がかかるときの最大たわみ(スパンの中央)です。
- 断面は長方形(幅 b・せい h)です。仕口の切り欠きなどによる断面欠損は見込んでいません。
- 梁の自重は加えていません。加えるときは「梁の荷重 w」に加えた値を入力します。
- 曲げ・せん断の検定(許容応力度計算)は含みません。
- 計算値は目安です。
出典
- 岩手県産カラマツ横架材のスパン表(2005年11月・岩手県林業技術センター)(このページで引いた所: 3.7・3.8(曲げ・せん断の式)・表-2)
- 群馬県産横架材スパン表(第2版)web版(平成27年10月・群馬県林業試験場・群馬県木材組合連合会)(このページで引いた所: p.5 ヤング係数・p.7 断面欠損)
- 島根県産ヒノキ横架材スパン表 ―心持ち平角対応―(令和7年3月・島根県中山間地域研究センター・島根県農林水産部林業課)(このページで引いた所: p.5 表6・p.7 表7)
- 平成12年建設省告示第1459号「建築物の使用上の支障が起こらないことを確かめる必要がある場合及びその確認方法を定める件」(国土交通省)(このページで引いた所: 第一の表)
- 木のいえづくりセミナーWeb版(平成23年度 林野庁補助事業 木のまち・木のいえづくり担い手育成技術普及事業) 2-6 横架材検討の実際(このページで引いた所: 2-6 ヤング係数の換算)
- 木のいえづくりセミナーWeb版(平成23年度 林野庁補助事業 木のまち・木のいえづくり担い手育成技術普及事業) 2-5 横架材の検討(はりの検討)(このページで引いた所: 表2-14)
告示と政令のほかは、式と数だけを引いています。
スパン・断面・荷重から、たわみと1/250の判定