長方形の梁の断面二次モーメントは I = bh³ ÷ 12 です。
スパン・断面・荷重から、たわみと1/250の判定
長方形の断面二次モーメント
断面二次モーメント I は、断面の形と大きさで決まる、曲がりにくさを表す値です。幅 b・せい h の長方形の断面では、次の式で求めます(木のいえづくりセミナー 2-2)。
強軸は、曲げたときに強く抵抗する向き(せいの方向に荷重を受ける向き)です。床梁は強軸で使います。単位は mm⁴ で、1 cm⁴ は 10,000 mm⁴ です。
例: 120 × 270 mm の梁は I = 120 × 270³ ÷ 12 = 196,830,000 mm⁴(19,683 cm⁴)、150 × 360 mm の梁は 583,200,000 mm⁴(58,320 cm⁴)です。木のいえづくりセミナーの表の値(19,683 cm⁴・58,320 cm⁴)と同じです。
幅 105 mm と 120 mm の断面二次モーメント
式で計算した値です(単位 cm⁴・小数点以下は四捨五入)。せいは 30 mm ごとの例です。
| せい | 幅 105 mm | 幅 120 mm |
|---|---|---|
| 150 mm | 2,953 | 3,375 |
| 180 mm | 5,103 | 5,832 |
| 210 mm | 8,103 | 9,261 |
| 240 mm | 12,096 | 13,824 |
| 270 mm | 17,223 | 19,683 |
| 300 mm | 23,625 | 27,000 |
| 330 mm | 31,445 | 35,937 |
| 360 mm | 40,824 | 46,656 |
| 390 mm | 51,904 | 59,319 |
せいと幅の効き方
断面二次モーメントは、せいの3乗と幅に比例します。せいを2倍にすると8倍、幅を2倍にすると2倍です。同じ 120 × 240 mm の材でも、せいを 240 mm にして使えば 13,824 cm⁴、寝かせてせいを 120 mm にすると 3,456 cm⁴ で、4分の1になります。最大たわみは断面二次モーメントに反比例するので、寝かせるとたわみは4倍です。
たわみの制限から必要な断面二次モーメント
変形増大係数を掛けたたわみが制限値(スパン ÷ n)以下になる条件 5 w L⁴ × k ÷(384 E I)≦ L ÷ n を I について解くと、必要な断面二次モーメントが求まります(k は変形増大係数)。
木のいえづくりセミナーの例題(w = 2,800 N/m・L = 4,000 mm・E = 6,860 N/mm²・k = 2・n = 250)なら、I は 17,007 cm⁴ 以上です(cm⁴ に切り上げ)。幅 120 mm のままなら、h = ∛(12 × I ÷ b)から、せいは 258 mm 以上になります。このアプリの「制限値を満たすせい」と同じ値です。
断面係数 Z = b h² ÷ 6 は、曲げ応力度(σ = M ÷ Z)の計算に使う値で、断面二次モーメントとは別の値です。たわみの計算には断面二次モーメントを使います。
出典
- 木のいえづくりセミナーWeb版(平成23年度 林野庁補助事業 木のまち・木のいえづくり担い手育成技術普及事業) 2-6 横架材検討の実際(このページで引いた所: 2-2 断面性能の式・2-6 の I(19,683 cm⁴))
- 木のいえづくりセミナーWeb版(平成23年度 林野庁補助事業 木のまち・木のいえづくり担い手育成技術普及事業) 2-5 横架材の検討(はりの検討)(このページで引いた所: 2-5-2 条件2 の I(58,320 cm⁴))
告示と政令のほかは、式と数だけを引いています。
スパン・断面・荷重から、たわみと1/250の判定