発電量の計算に使う傾斜面日射量と、その調べ方です。
傾斜面日射量とは
発電量の計算に使う日射量は、パネルの面(方位角と傾斜角)に当たる日射量=傾斜面日射量です。水平面の日射量とは違い、同じ地点でも方位角と傾斜角で月ごとの値が変わります。JIS C 8907 には、水平面の日射量から月平均日積算傾斜面日射量を求める方法が附属書1(参考)にあります。
NEDO の日射量データベース
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の年間月別日射量データベース MONSOLA-11 は、国内 837 地点・29 年間(1981〜2009年)の平均値で、各月(年間)の方位角別・傾斜角別の月(年)平均日積算日射量を表示できます。環境省の算定シートは、この月平均日積算傾斜面日射量を kWh/m²・日 の単位で使っています。太陽光発電協会の表示ガイドラインも、カタログの年間推定発電量には MONSOLA 11 のデータを用いる、としています。
年平均の値(kWh/m²・日)は、年間の画面の「1日当たりの年平均」に入力します。365 日を掛けて年積算日射量にします(京都市の算出基準の式)。月ごとの値は、月ごとの画面に 1月から順に 12 個並べて入力します。
月の日数を掛けて月積算にする
JIS C 8907 の手順では、各月の月平均日積算傾斜面日射量 HS にその月の日数を掛けて、月積算傾斜面日射量 HAm にします。環境省の算定シートの計算例(傾斜角 20°・方位角 15°)は次のとおりです。2月は 28 日で計算しています。
| 月 | HS(kWh/m²・日) | 日数 | HAm(kWh/m²) |
|---|---|---|---|
| 1月 | 3.26 | 31 | 101.06 |
| 2月 | 3.97 | 28 | 111.16 |
| 3月 | 4.38 | 31 | 135.78 |
| 4月 | 4.86 | 30 | 145.80 |
| 5月 | 4.92 | 31 | 152.52 |
| 6月 | 4.46 | 30 | 133.80 |
| 7月 | 4.54 | 31 | 140.74 |
| 8月 | 4.89 | 31 | 151.59 |
| 9月 | 3.89 | 30 | 116.70 |
| 10月 | 3.51 | 31 | 108.81 |
| 11月 | 3.06 | 30 | 91.80 |
| 12月 | 2.97 | 31 | 92.07 |
12か月の合計は 1,481.83 kWh/m²、365 日で割った年平均は 1日当たり 4.060 kWh/m²・日 です。12か月の HS をそのまま平均した値(4.059 kWh/m²・日)とは、月の日数の違いの分だけ少し違います。
日射量は年によって変わります。JIS C 8907 は、推定した日射量の確からしさを表す日射量年変動補正係数 KHD を 0.97 とし、平年より日射が少ない年を見込んでいます(建築研究所の資料)。
出典
- 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「日射に関するデータベース」(MONSOLA-11・METPV-11)
- 一般社団法人 太陽光発電協会「太陽光発電協会 表示ガイドライン(2021年度)」
- 環境省 CO₂削減対策Navi(SHIFT事業)CO₂削減対策メニュー 300511「太陽光発電の導入(蓄電池なし、系統連系システム)」概要シート・計測シート・算定シート
- 京都市「導入量算出の例①:太陽光発電設備」(再生可能エネルギー利用量算出基準・総合設計係数 結晶系 0.73・アモルファス系 0.68)
- JIS C 8907:2005「太陽光発電システムの発電電力量推定方法」(日本規格協会のプレビュー・適用範囲と目次)
- 国立研究開発法人 建築研究所 建築研究資料 No.188(2018年1月)第2章 総合設計係数に関する既往知見の整理(JIS C 8907 の補正係数・温度補正係数の式・表2.4.1)