説明

総合設計係数 K(システム出力係数)と補正係数の値

発電量の損失を表す総合設計係数と、その補正係数の値です。

総合設計係数 K と基本設計係数 K′

総合設計係数(システム出力係数)K は、パネルの面に当たった日射量に対して、実際に交流で取り出せる電力量の割合です。様々な出力損失を表す補正係数の積で表されます(建築研究所の資料)。JIS C 8907 では、温度補正係数 KPT を除いた残りを基本設計係数 K′ と呼び、月ごとに K = K′ × KPT とします。環境省の計測シートも「基本設計係数=総合設計係数/温度補正係数」としています。

K = K′ × KPT K′ = KHD × KPD × KPA × KPM × KIN

系統連系形・結晶系・蓄電池なしの推奨値は、日射量年変動補正係数 KHD 0.97・経時変化補正係数 KPD 0.95・アレイ負荷整合補正係数 KPA 0.94・アレイ回路補正係数 KPM 0.97・インバータ回路補正係数 KIN 0.90 です。掛けると K′ = 0.756 です(環境省の算定シート: K′ = 0.97 × 0.95 × 0.97 × 0.94 × 0.9 = 0.756)。

補正係数の意味

補正係数何を補正するかJIS C 8907 の推奨値
日射量年変動補正係数 KHD推定した期間日射量の確からしさ0.97
経時変化補正係数 KPD汚れ・劣化・スペクトルの変動0.95(結晶系)
0.87(アモルファス系)
温度補正係数 KPTモジュールの温度上昇による効率の低下月ごとに計算
アレイ負荷整合補正係数 KPA最大出力点からのずれ0.94(系統連系形)
アレイ回路補正係数 KPM配線などの損失0.97
インバータ回路補正係数 KINインバータの実効効率と伝送の損失0.90

経時変化補正係数 KPD は、汚れ補正係数(推奨値 0.98)・劣化補正係数(結晶系 1.00)・太陽光発電応答変動補正係数(結晶系 0.96)を考えた係数です。汚れについて JIS C 8907 は、一般住宅地域で 0.95〜0.97 を採用し、火山灰が降る所や道路の近くでほこりが多い所などは個別に検討する、道路ぎわの施設で 0.90 とした例もある、としています。アレイ負荷整合補正係数の推奨値は、独立形では日射に追従する負荷を持つとき 0.91、それ以外は 0.89 です(建築研究所の解説)。インバータ回路補正係数は、製造業者が実効効率を示していればその値を、得られなければ 0.90 を使います。

年間の計算の K(0.73・0.68)

京都市の算出基準は、年間の式の総合設計係数を結晶系 0.73・アモルファス系 0.68 とし、根拠資料を提出すればほかの値も使えるとしています。太陽光発電協会の表示ガイドラインも、発電電力は温度等の補正係数・パワーコンディショナの損失・その他の損失(受光面の汚れ・配線・回路の損失)で、太陽電池容量の 70〜80% 程度になる、としています。

住宅の省エネ計算の値は少し違う

建築物省エネ法の住宅の計算(建築研究所の技術情報 第九章 第一節)は、1時間ごとに発電量を計算し、補正係数も JIS C 8907 の推奨値と少し違います。日陰補正係数 1.0・経時変化補正係数 0.96(結晶シリコン系)・アレイ負荷整合補正係数 0.94・アレイ回路補正係数 0.97 で、日射量年変動補正係数は使いません。インバータ回路補正係数はパワーコンディショナの定格負荷効率に 0.97 を掛けた値(定格負荷効率が分からなければ 0.927)です。省エネ計算の値と、このアプリの JIS C 8907 の推奨値の計算結果は一致しません。

月ごとの画面の「詳しい設定」で「補正係数を入力」を選ぶと、補正係数を1つずつ替えられます(空欄は JIS C 8907 の推奨値)。蓄電池の回路の補正係数は、このアプリでは扱いません(蓄電池の無い系統連系形の計算です)。

出典

月ごとの発電量を計算する