(16)項の建物は、用途ごとに算定した収容人員を合算します。
複合用途の算定方法(第1条の3 第2項)
(16)項と(16の2)項は、令別表第一の各項の用途と同一の用途に供されている部分を、それぞれ一の防火対象物とみなして第1項の方法で算定した収容人員を合算します(消防法施行規則 第1条の3 第2項)。
例えば、1階が飲食店、2階が事務所、3階から上が共同住宅の建物なら、飲食店の部分を(3)項の方法、事務所の部分を(15)項の方法、共同住宅の部分を(5)項ロの方法(居住者の数)でそれぞれ算定し、合算します。
「複合用途」の画面の使い方
- 1行目の「用途」を選び、その用途の部分の数(従業者の数・いす席の数・床面積など)を入力します。
- 2行目から、ほかの用途の部分を入力します。行は「+ 用途を追加」で増やせます。
- 行の下にその行の収容人員が、上の大きな数字に合算した収容人員が、その下に用途ごとの収容人員が表示されます。
同じ用途の部分が2つの階にあるときは、1行にまとめても、2行に分けてもかまいません。条文は同じ用途の部分を一の防火対象物とみなして算定するとしているので、この計算は同じ用途の行を合わせて算定します。例: 事務所の部分が2つの階にあり、従業者 5 人・従業者以外の部分 14 m² と、従業者 4 人・14 m² なら、合わせて 9 人 + 28 ÷ 3 ≒ 9.33 → 9 人で 18 人です(端数を部分ごとに切り捨てる設定では 17 人)。
計算例
那覇市の物品販売店舗の例((4)項・29 人)と銀行の例((15)項・80 人)が同じ建物にあるとすると、収容人員は 29 + 80 = 109 人です(床面積の端数は部分ごとに切り捨て)。物品販売店舗の部分は、従業者 3 人・飲食コーナー 13 m² ÷ 3 ≒ 4.33 → 4 人・売場 90 m² ÷ 4 = 22.5 → 22 人です。
複合用途で迷いやすい所
- 個人の住宅: 令別表第一の用途と個人の住宅が複合している建物では、住宅の部分の居住者は収容人員に含めないとする審査基準があります(岐阜市・対馬市)。
- (17)項の文化財: (1)項から(16)項のどれかでもある建物は、それぞれの用途で算定し、防火管理などの全体の収容人員は大きい方の数とする運用があります(新潟市の運用指針)。
- 建物全体か階ごとか: 収容人員を使う決まりによって、数える範囲が違います。大分市の審査基準は、防火管理(消防法第8条)は棟単位、非常警報設備(消防法施行令第24条)は棟単位で各階の収容人員を合算した数、避難器具(同第25条)は階単位の収容人員とするとしています。
出典
- 京都市消防局「収容人員の算定(消防法施行規則 第1条の3)」(第1項の表)
- 東京消防庁「収容人員の算定要領」(消防法施行規則 第1条の3 第1項の表と第2項)
- 那覇市「第4 収容人員の算定」(4)項(物品販売業を営む店舗の算定方法例)
- 那覇市「第4 収容人員の算定」(15)項(銀行・美容院・スポーツクラブの算定方法例)
- 岐阜市「第2 収容人員の算定」(床面積の端数・(5)項イの宿泊室は宿泊室ごとに切り上げ)
- 対馬市「第4 収容人員の算定」(問答・掘りごたつ席とカウンター席・住居の部分)
- 新潟市「収容人員」(消防用設備等の運用指針)
- 大分市「第7 収容人員の算定」(和式の宿泊室の端数の切り上げ・階単位と棟単位)