コンデンサの容量から改善後の力率を求め、進み力率にならないかを確かめます。
必要なコンデンサの容量を求めたら、標準容量のコンデンサを選び、その容量で力率がいくつになるかを確かめます。農林水産省 電気設備 設計指針は、式2.5-4 を変形した次の式で改善後の力率を求めています(p.2-43)。
計算式
例(負荷入力 150 kW・0.85・50 kvar)
設計指針の例の値 0.961 と同じです。目標の 0.95 に必要な 43.7 kvar(設計指針では α から 44 kvar)より大きい 50 kvar を選んだので、改善後の力率は 95 % より高くなります。
コンデンサの容量と改善後の力率
同じ負荷(150 kW・力率 0.85・改善前の無効電力 93.0 kvar)に、容量の違うコンデンサを設置したときの改善後の無効電力と力率です。
| コンデンサ | 改善後の無効電力 | 改善後の力率 |
|---|---|---|
| 20 kvar | 73.0 kvar | 89.9 % |
| 30 kvar | 63.0 kvar | 92.2 % |
| 40 kvar | 53.0 kvar | 94.3 % |
| 50 kvar | 43.0 kvar | 96.1 % |
| 75 kvar | 18.0 kvar | 99.3 % |
| 100 kvar | 7.04 kvar 進み | 99.9 % 進み |
| 150 kvar | 57.0 kvar 進み | 93.5 % 進み |
表の数は、計算の画面と同じ計算でこのページを作るときに求めた値です。
改善前の無効電力より大きいコンデンサを設置すると、無効電力が進みになり、力率は下がり始めます(100 kvar・150 kvar の行)。式の (tanθ0 − Qc ÷ P)² は進みでも正の数なので、計算の画面は進みのときに「進み力率です」と表示します。
進み力率の不都合
設計指針は、最大負荷に対して力率を 100 % とすると、軽負荷時には進み力率となり、自己励磁現象等により受電電圧の上昇などの不都合を生じるとしています。環境省の温室効果ガス排出削減等指針の対策集も、力率改善用コンデンサが受電設備の系統に常時接続したままだと、夜間や休日など負荷が少ない時間にはコンデンサの容量が過大となり力率が低下し、受電端電圧の上昇などの弊害が生じるおそれがあるとしています。
対策集は、現状の負荷によるコンデンサの必要最小容量を把握して過剰な分を系統から切り離すこと、夜間・休日など負荷が極端に少ないときは負荷断路器でコンデンサを切り離すことを挙げ、進相コンデンサは設置する設備の稼働・停止に合わせて稼働・停止させるように管理標準を定めるとしています。自動力率調整装置で投入と遮断を行う方法もあります。