送り速度は、1回転で進む長さに主軸回転速度を掛けた数です。
フライス・エンドミルの式
- vf(mm/min): 1分間当たりのテーブル送り速度
- fz(mm/t): 1刃当たりの送り量
- z(枚): 刃数
- n(min⁻¹): 主軸回転速度
- fr(mm/rev): 1回転当たりの送り
記号と式は三菱マテリアルの「フライス加工計算式」と同じです。工具が1回転すると刃が z 枚通り、刃1枚ごとに fz ずつ進みます。1回転で進む長さが fr = z × fz で、これに1分間の回転数 n を掛けると、1分間に進む長さ vf になります。
例題(同じ資料): 1刃当たりの送り 0.1 mm/t・刃数 10枚・主軸回転速度 500 min⁻¹ なら、vf = 0.1 × 10 × 500 = 500 mm/min。逆に、主軸回転速度 500 min⁻¹・刃数 10枚・テーブル送り 500 mm/min なら、fz = 500 ÷ (10 × 500) = 0.1 mm/t です。
ドリル・旋盤の式
ドリルも旋盤も送りを1回転当たりで表すので、刃数は式に含まれません。三菱マテリアルの「穴加工計算式」は主軸(Z軸)送り速度を vf = fr × n、「旋削加工の計算式」は1回転当たりの送りを f = l ÷ n(l は1分間当たりの切削長さ mm/min)と書いています。記号は違っても同じ式で、このアプリではどちらも送り速度 vf・1回転当たりの送り f と書きます。
例題: 1回転当たりの送り 0.2 mm/rev・回転速度 1,350 min⁻¹ のドリルは、vf = 0.2 × 1,350 = 270 mm/min(穴加工計算式)。主軸の回転速度 500 min⁻¹・1分間の切削長さ 120 mm/min の旋削は、f = 120 ÷ 500 = 0.24 mm/rev(旋削加工の計算式)。不二越のドリルのカタログ(No.2235-4 p.12)も 送り量 f = 送り速度 Vf ÷ 回転数 n で、回転数 5,100 min⁻¹・送り速度 590 mm/min の送り量を 0.116 mm/rev としています。
単位
送り速度は mm/min(1分間に進む長さ)、1刃当たりの送りは mm/t(三菱マテリアルの資料では mm/t. や mm/tooth とも書きます)、1回転当たりの送りは mm/rev、主軸回転速度は min⁻¹(1分間の回転数)です。
切削速度 vc は m/min(メートル)で書きます。送り速度の mm/min(ミリメートル)と取り違えないようにします。切削速度の式 vc = (π × DC × n) ÷ 1000 の「÷ 1000」は、三菱マテリアルの資料にあるとおり mm を m に直すためです。
出典
- フライス加工計算式(三菱マテリアル 技術情報): vf = fz × z × n・fz = vf ÷ (z × n)・fr = z × fz と例題
- 穴加工計算式(三菱マテリアル 技術情報): vf = fr × n と例題
- 旋削加工の計算式(三菱マテリアル 技術情報): f = l ÷ n と例題
- 不二越 アクアドリルEX パワーフィード カタログ No.2235-4(2018年5月): p.12「切削条件計算式」の 送り量 = 送り速度 ÷ 回転数 と例