切削速度で書かれた条件は、回転速度を求めてから送り速度を計算します。
手順
カタログの切削条件が切削速度(m/min)で書かれているときは、先に主軸回転速度を求めてから送り速度を計算します。
- 切削速度 vc(m/min)と工具の直径 DC(mm)から、主軸回転速度 n(min⁻¹)を求めます。三菱マテリアルの切削速度の式 vc = (π × DC × n) ÷ 1000 を n について解いた、n = 1000 × vc ÷ (π × DC) です。
- フライス・エンドミルは vf = fz × z × n、ドリル・旋盤は vf = f × n で送り速度を求めます。この2つ目の計算が、このアプリの画面です。
旋削の切削速度は、工具の径ではなく被削材の直径 Dm で計算します(「旋削加工の計算式」の vc = (π × Dm × n) ÷ 1000)。
例: 正面フライス
「フライス加工計算式」の加工時間の例題です。正面フライスの直径 ø200・刃数16枚・切削速度 125 m/min・1刃当たりの送り 0.25 mm/t。
- 主軸回転速度: 1000 × 125 ÷ (π × 200) = 約 199 min⁻¹。例題は 200 min⁻¹ として計算しています。
- 送り速度: 0.25 × 16 × 200 = 800 mm/min
例: ドリル
「穴加工計算式」の穴あけ時間の例題です。SCM440 に φ15 の穴をあけ、切削速度 50 m/min・送り 0.15 mm/rev。
- 主軸回転速度: (50 × 1000) ÷ (15 × 3.14) = 1,061.57 min⁻¹(例題は円周率を 3.14 としています)
- 送り速度: 0.15 × 1,061.57 = 159.2 mm/min
不二越のドリルのカタログの例(工具径 φ5・回転数 5,100 min⁻¹)は、切削速度に換算すると 5 × π × 5,100 ÷ 1000 = 80.1 m/min で、カタログには 80 m/min と書いてあります。
カタログの条件を下げるとき
不二越のカタログ(No.2235-4 p.11)の「切削条件ご利用の注意」には、次の2つが書いてあります。
- 「機械剛性やワーククランプ、加工部形状などの状況により切削条件を調整してください。」
- 「水溶性切削油剤を使用する場合のものです。不水溶性切削油剤の場合には回転数と送り速度を20%下げてください。」
回転数と送り速度を同じ割合で下げると、1回転当たりの送りは変わりません。回転数 5,100 min⁻¹・送り速度 590 mm/min を 20% 下げると 4,080 min⁻¹・472 mm/min で、1回転当たりの送りは 472 ÷ 4,080 = 0.116 mm/rev のままです。回転数だけを下げて送り速度をそのままにすると、1回転当たりの送りが増えます(590 ÷ 4,080 = 0.145 mm/rev)。
出典
- フライス加工計算式(三菱マテリアル 技術情報): 切削速度の式・加工時間の例題(正面フライス)
- 穴加工計算式(三菱マテリアル 技術情報): 切削速度の式・穴あけ時間の例題(ドリル)
- 旋削加工の計算式(三菱マテリアル 技術情報): 切削速度の式(被削材の直径 Dm)
- 不二越 アクアドリルEX パワーフィード カタログ No.2235-4(2018年5月): p.11「切削条件ご利用の注意」・p.12 の例