1刃当たりの送りが同じでも、刃数が変わると送り速度は変わります。
刃数で送り速度が変わる
エンドミルや正面フライスの送りは、1刃当たりの送り fz(mm/t)で表します(三菱マテリアルの「フライス加工計算式」)。プログラムに入力する送り速度(mm/min)は、これに刃数と主軸回転速度を掛けて求めます。1刃当たりの送りと主軸回転速度が同じでも、刃数が倍なら送り速度も倍です。
例題の 1刃当たりの送り 0.1 mm/t・主軸回転速度 500 min⁻¹ のまま、刃数だけを変えた数です(このページを作るときに、計算の画面と同じ式で計算しました)。
| 刃数 | 1回転当たりの送り | 送り速度 |
|---|---|---|
| 2枚 | 0.2 mm/rev | 100 mm/min |
| 4枚 | 0.4 mm/rev | 200 mm/min |
| 6枚 | 0.6 mm/rev | 300 mm/min |
| 10枚(例題) | 1 mm/rev | 500 mm/min |
| 16枚 | 1.6 mm/rev | 800 mm/min |
刃数の違う工具に替えたとき
送り速度(プログラムの数)と主軸回転速度をそのままにして刃数の違う工具に替えると、1刃当たりの送りが変わります。送り速度 500 mm/min・主軸回転速度 500 min⁻¹ のまま 10枚刃から 4枚刃に替えると、1刃当たりの送りは 0.1 mm/t から 0.25 mm/t(2.5倍)になります。工具を替えたら、その工具のカタログの1刃当たりの送りで送り速度を計算し直します。
今のプログラムの送りを確かめるときは、「フライス」の画面の「求めるもの」で「1刃当たりの送り fz」を選び、送り速度・刃数・主軸回転速度を入力します。
1回転当たりの送り fr = z × fz
刃が何枚もある工具でも、1回転で進む長さ(1回転当たりの送り fr)は z × fz で求められます。「フライス加工計算式」は、主軸回転速度の説明に「1回転当りの送り fr=zxfz」と書いています。同じ資料の加工時間の例題(正面フライス ø200・刃数16枚・1刃当たりの送り 0.25 mm/t)では fr = 16 × 0.25 = 4 mm/rev で、主軸回転速度 200 min⁻¹ を掛けると 800 mm/min です。
「フライス」の画面は送り速度と一緒に fr も表示します。1刃当たりの送りを逆算したときは、fr を 送り速度 ÷ 主軸回転速度 で求めます。丸めた fz に刃数を掛けると、最後の桁がずれて見えることがあるためです。
出典
- フライス加工計算式(三菱マテリアル 技術情報): 1刃当たりの送り・テーブル送りの式と例題・1回転当りの送り fr = z × fz