範囲外・処分費・一括発注・設計変更・とりこわし工事などの質問です。
直接工事費と工期から共通仮設費率と金額
直接工事費が別表の範囲を外れたら?
別表の注3は、P が範囲を外れる場合は共通仮設費を別途定めることができるとしています。公共建築工事積算基準等資料 第3編 第2章 2(1)イ(ホ)は、直接工事費が範囲を外れる場合も、原則として算定式により算定された率を採用するとしています。このアプリは範囲の外でも率を表示し、「範囲外」と示します。
| 工事の種類 | P の範囲 |
|---|---|
| 新営建築工事 | 10,000〜5,000,000 千円 |
| 改修建築工事 | 3,000〜1,000,000 千円 |
| 新営電気設備工事 | 10,000〜1,000,000 千円 |
| 改修電気設備工事 | 3,000〜1,000,000 千円 |
| 新営機械設備工事 | 10,000〜1,000,000 千円 |
| 改修機械設備工事 | 3,000〜1,000,000 千円 |
| 昇降機設備工事 | 5,000〜500,000 千円 |
直接工事費に処分費は含める?
共通仮設費率を算定する場合の直接工事費には、処分費を含めません(基準 2(1))。共通費を算定する場合の直接工事費には、本設のための電力・水道等の各種負担金も含めません(基準 1)。建設発生土処分費と発生材処分費の共通仮設費は算定しません。
新営工事と改修工事を一括して発注するときは?
共通仮設費率は、新営工事と改修工事の直接工事費の合計額に対応する、新営工事と改修工事それぞれの率です。共通仮設費は新営工事と改修工事に区分して求め、積み上げによる共通仮設費は主な工事の共通仮設費に計上します(公共建築工事積算基準等資料 第3編 第1章 2)。
例: 新営 80,000,000 円・改修 40,000,000 円・工期 10 か月なら、P は合計の 120,000 千円です。新営の率は別表-1で 4.42 %、改修の率は別表-2で 4.48 %、率による算定は新営 3,536,000 円・改修 1,792,000 円です。
それぞれの直接工事費で別々に求めると、新営 4.96 %・改修 6.34 %になり、合計額で求めた率より大きくなります。このアプリで計算するときは、直接工事費に合計額を入力して率を求め、それぞれの直接工事費に掛けてください。
建築工事と設備工事を一括して発注するときは?
建築工事・電気設備工事・機械設備工事・昇降機設備工事のいずれかの主たる工事と、主たる工事以外の工事を一括して発注する場合、共通仮設費はそれぞれの工事種別ごとの定めにより求め、それらを合計します。主たる工事とは発注時の工事種別です。主たる工事以外の工事を主たる工事に含めるのが適切と判断できる場合は、主たる工事の定めで求めることができます(公共建築工事積算基準等資料 第3編 第1章 3)。
敷地が異なる複数の工事を一括して発注する場合は、それぞれの敷地の工事ごとの直接工事費と工期に対応する率で求めます(同 第1章 4)。
設計変更のときは?
共通仮設費を率で求めた場合は、設計変更でも率で求めます。設計変更の内容を当初発注工事に含めた場合の共通仮設費を求め、当初発注工事の共通仮設費を控除した額が、設計変更の共通仮設費です(基準 2(5))。監理事務所を設けない場合の補正値は、変更後の P に対応した値を変更後の Kr に掛けます。
とりこわし工事・リースの仮設庁舎があるときは?
とりこわし工事を含めて発注する場合、とりこわし工事は新営建築工事に含めて求めます。とりこわし工事・造園工事・舗装工事・さく井設備工事などを単独で発注する場合の共通費は、製造業者・専門工事業者の見積りを参考に計上します(公共建築工事積算基準等資料 第3編 第1章 7・第2章 2(1)イ(ハ))。
仮設庁舎等をリースで発注する場合は、処分費を除く直接工事費の合計額に対応する共通仮設費率で、直接工事費からリース料と処分費を除いた額の共通仮設費を求めます(同 第2章 2(1)イ(ニ))。
昇降機設備工事に工期の項が無いのは?
別表-7(昇降機設備工事)の式は Kr = Exp(4.577 − 0.323 × loge P) で、工期 T の項がありません。昇降機設備工事を除き、製造業者・専門工事業者に単独で発注する場合は、別途共通仮設費を算定します(基準 2(4))。
ほかの基準の工事にも使える?
このアプリの式は、国土交通省大臣官房官庁営繕部の公共建築工事共通費積算基準(官庁施設の営繕のための基準)のものです。ほかの基準で積算する工事の率を求めるものではありません。地方公共団体の工事では、発注者の基準と運用(工期の求め方など)を確かめてください。
出典
- 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事共通費積算基準(令和8年改定)」(最終改定 令和8年3月11日): 1・2(1)(4)(5)・別表 注3
- 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事積算基準等資料(令和8年改定)」: 第3編 第1章 2〜4・7・第2章 2(1)イ(ハ)(ニ)(ホ)・2(2)
直接工事費と工期から共通仮設費率と金額