真北方向の水平距離の測り方と、境界線が斜めのとき・北側が道路のときの計算です。
真北方向の距離から高さの限度、高さから必要な距離
真北で測る(磁北ではない)
建築基準法 第56条第1項第3号の距離は「真北方向の水平距離」です。真北は地図の経線の北(北極の向き)で、敷地の測量図や配置図の方位の記号で示されます。磁石の針が指す北(磁北)は真北と同じではなく、そのずれは場所によって違います。方位磁針やスマートフォンの方位で測った向きをそのまま使わず、測量図などの真北で測ります。
北側が道路のとき
北側が道路のときは、隣地境界線ではなく「前面道路の反対側の境界線」まで測ります。堺市の案内も「北側が道路の場合は、その道路の反対側の境界線が北側斜線の起点になります」としています。
たとえば低層住居専用地域で、道路境界線から真北方向に 2 m の部分があり、道路の幅が真北方向に 4 m なら、真北方向の水平距離は 2 + 4 = 6 m で、高さの限度は 12.500 m です。道路の幅を入れずに 2 m で計算すると 7.500 m になり、建てられる高さを小さく見積もります。
境界線が斜めのとき
北側の境界線が東西の向きから傾いているときは、境界線に直角に測った距離と、真北方向の距離が違います。境界線に直角な向きと真北のなす角を θ とすると、真北方向の水平距離は次の式で求められます。
直角に測って 3 m の部分で、角が 20 度なら、3 ÷ cos 20° = 3.192 m です(低層住居専用地域の高さの限度は 8.990 m)。直角の距離 3 m のまま計算すると 8.750 m で、高さの限度を小さく見積もります。
直角に測って 3 m の部分の、角 θ ごとの真北方向の距離と、低層住居専用地域の高さの限度です。
| 角 θ | 1 ÷ cos θ | 真北方向の距離 | 高さの限度 |
|---|---|---|---|
| 0 度 | 1.000 | 3.000 m | 8.750 m |
| 10 度 | 1.015 | 3.046 m | 8.807 m |
| 15 度 | 1.035 | 3.105 m | 8.882 m |
| 20 度 | 1.064 | 3.192 m | 8.990 m |
| 30 度 | 1.155 | 3.464 m | 9.330 m |
| 45 度 | 1.414 | 4.242 m | 10.303 m |
距離は mm 未満を切り捨てて表示しています。真北方向に引いた線が、北側の境界線より先にほかの境界線(東や西の隣地境界線)に当たるときは、その境界線までの距離を使います。
距離を測る場所
距離は、確かめたい部分(軒先・棟・パラペットなど)の真下の位置から、水平に真北へ測ります。建築物の外壁ではなく、いちばん北に出ている軒先・樋・バルコニーの手すりなども、高さがあればそれぞれ確かめます。岐阜市の届出内容事前チェックシートでも、隣地境界線から軒先・樋先などまでの真北方向の距離を記入するようにしています。
図面の寸法が mm のときは、1,000 で割って m で入力します(3,000 mm は 3 m)。
出典
真北方向の距離から高さの限度、高さから必要な距離