敷地が2つ以上の地域にわたるときは、面積の割合で限度を合わせます。
敷地面積と指定建ぺい率から建築面積の上限。角地・防火の緩和も
第53条第2項の計算
建築基準法 第53条第2項は、敷地が建ぺい率の制限の異なる2つ以上の地域・区域にわたるときは、建ぺい率が「当該各地域又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下」でなければならないとしています。面積の割合で重みを付けた平均(加重平均)です。
計算の例(名古屋市の資料の例)
名古屋市「知っておきたい建築の法規」〔9〕は、第一種低層住居専用地域(建ぺい率 40%)の部分が 100 m²、近隣商業地域(建ぺい率 80%)の部分が 200 m² の、300 m² の敷地の例を載せています。
このアプリでも同じ 66.66% になり、建築面積の上限は 200.00 m² です(66.666…% の小数第3位以下を切り捨てて表示)。同じ資料は、用途地域の制限は敷地の過半が属する地域の制限による(過半支配)と説明しています。建ぺい率の加重平均とは決め方が違います。
角地・防火の緩和を加えるとき
第53条第3項の加算は「前二項の規定の適用について」とあるので、第2項の加重平均でも、各地域の限度に 10% か 20% を加えてから平均します。上の例の敷地が準防火地域で、準耐火建築物等を建てる角地なら、各地域の限度は次のとおりです。
| 行 | 面積(m²) | 指定 | 限度 | 面積 × 限度(m²) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 100.00 | 40% | 60% | 60.00 |
| 2 | 200.00 | 80% | 100% | 200.00 |
敷地全体の限度は 86.66%、建築面積の上限は 260.00 m² です。
3つの地域の例(防火地域の耐火建築物等・指定 60%・50%・60%・面積 120.5・80・40 m²)では、限度は 66.67%、上限は 160.35 m² です。
| 行 | 面積(m²) | 指定 | 限度 | 面積 × 限度(m²) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 120.50 | 60% | 70% | 84.35 |
| 2 | 80.00 | 50% | 60% | 48.00 |
| 3 | 40.00 | 60% | 70% | 28.00 |
指定 80% の部分が防火地域の耐火建築物等のとき
防火地域の耐火建築物等で、敷地の一部だけが指定建ぺい率 80% の地域にあるときは、その部分は第53条第6項第1号(第1項〜第5項を適用しない)に当たり、ほかの部分は第3項第1号の加算に当たります。この2つをどう合わせるかは条文に書かれていないので、このアプリは数を表示せず、特定行政庁への確認を表示します。
敷地の全部が指定建ぺい率 80% の地域にあるときは、敷地の全部が第6項第1号に当たるので、建ぺい率の制限を受けません。
前提
- 防火地域・準防火地域と角地は、敷地で1つを選びます。敷地が防火地域・準防火地域の内外にわたるときは、第53条第7項・第8項に当たるか(敷地内の建築物の全部が耐火建築物等・準耐火建築物等か)を確かめてから選びます。当たらないときは、特定行政庁に確認してください。
- 加重平均の限度は小数第3位以下を切り捨てて表示します。限度以内なのに、今の建ぺい率を切り上げると限度の表示を超えるときは、今の建ぺい率も切り捨てて表示します(表示どうしが食い違わないように)。
- 各部分の面積は、敷地を用途地域の境界線で分けた水平投影面積です。部分の面積の合計が敷地面積になります。
出典
敷地面積と指定建ぺい率から建築面積の上限。角地・防火の緩和も