特定行政庁が指定する角地は、建ぺい率の限度に 10% を加えます。
敷地面積と指定建ぺい率から建築面積の上限。角地・防火の緩和も
角地緩和の条文(第53条第3項第2号)
建築基準法 第53条第3項第2号に当たるのは「街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物」です。これに当たると、建ぺい率の限度に 1/10(10%)を加えます。防火地域・準防火地域の加算(第3項第1号)にも当たるときは、2/10(20%)を加えます。
例: 敷地面積 150 m²・指定建ぺい率 60% の角地なら、限度は 70%、建築面積の上限は 105.00 m² です。指定建ぺい率 80% の角地なら、限度は 90%(上限 135.00 m²)です。
角地緩和の条件は特定行政庁ごと
どの敷地を角地として指定するかは、特定行政庁が条例や細則で定めています。道路に2面接しているだけでは当たらないことがあります。例えば名古屋市は、名古屋市建築基準法施行条例 第15条で、次の敷地を指定しています(名古屋市「建ぺい率の緩和される敷地(角地緩和)について」の要約)。
- 街区の角にある敷地で、前面道路の幅員がそれぞれ 6 m 以上・その和が 15 m 以上、道路の作る角度が内角 120 度以下、敷地境界線の総延長の 3分の1 以上が道路に接するもの
- 道路境界線の間隔が 35 m 以内の道路の間にある敷地で、道路の幅員がそれぞれ 6 m 以上・その和が 15 m 以上、敷地境界線の総延長の 8分の1 以上がそれぞれの道路に、3分の1 以上がそれらの道路に接するもの
- 三方を道路に囲まれた敷地で、前面道路の幅員がそれぞれ 6 m 以上、道路の作る角度がそれぞれ内角 120 度以下、敷地境界線の総延長の 3分の1 以上が道路に接するもの
- 公園・広場・水面などに接する敷地、または敷地に接する道路の反対側に公園などがある敷地で、公園などを道路とみなして上のどれかに当たるもの
名古屋市建築基準法関係例規集は、さらに道路に接する長さを原則として 2 m 以上とし、隅切りだけに接する敷地には緩和を適用できないとしています。ほかの特定行政庁の基準は数値が違うことがあるので、敷地のある市区町村や都道府県の基準で確かめてください。
角地緩和を加えた限度の一覧
| 指定 | 一般の敷地 | 角地 | 角地+準防火 |
|---|---|---|---|
| 30% | 30% | 40% | 50% |
| 40% | 40% | 50% | 60% |
| 50% | 50% | 60% | 70% |
| 60% | 60% | 70% | 80% |
| 70% | 70% | 80% | 90% |
| 80% | 80% | 90% | 100% |
「角地+準防火」は、角地で、準防火地域の耐火建築物等・準耐火建築物等を建てるときです。
指定建ぺい率 80% で、角地かつ準防火地域の耐火建築物等・準耐火建築物等なら、限度は 100% になり、敷地面積まで建てられます(名古屋市の資料の表では「制限なし」)。
よくある間違い
- 道路に2面接しているので角地緩和に当たる、と決めてしまう。指定の基準(道路の幅員・角度・接する長さ)に合わなければ当たりません。
- 角地の 10% と防火の 10% の両方に当たるのに、片方しか加えない。両方なら 20% です(第53条第3項)。
- 防火地域の耐火建築物等で指定建ぺい率 80% の敷地に、角地の 10% を加えて 90% と計算する。この場合は加算ではなく、建ぺい率の制限を受けません(第53条第6項第1号)。
出典
敷地面積と指定建ぺい率から建築面積の上限。角地・防火の緩和も