都市ガスは気体燃料です。m³N/h に 10 を掛けて 16 で割ります。
都市ガスの重油換算(昭和46年の通知)
都市ガスは気体燃料(通知の字では「ガス燃料」)です。16 m³ を重油 10 L として換算します(昭和46年の環境庁の通知 環大企5号)。
例: 80 m³N/h × 10 ÷ 16 = 50 L/h。川崎市のよくある質問も、届出が要るボイラーを「バーナーの燃焼能力が都市ガスで80ノルマル立方メートル毎時以上、液体燃料で50リットル毎時以上あるもの」と案内しています。都市ガス 80 m³N/h と液体燃料 50 L/h は、重油換算で同じ 50 L/h です。
都市ガスの燃焼能力と重油換算
昭和46年の通知の換算と、大阪府の届出のしおりの換算係数(都市ガス 13A は 1 m³ が重油 1.14 L)を並べました。同じ燃焼能力でも、判定が変わる所があります。
| 都市ガス (m³N/h) | 通知の換算 (L/h) | 50 L/h 以上 | 係数 1.14 (L/h) | 50 L/h 以上 |
|---|---|---|---|---|
| 20 | 12.5 | ✗ 非該当 | 22.8 | ✗ 非該当 |
| 40 | 25 | ✗ 非該当 | 45.6 | ✗ 非該当 |
| 44 | 27.5 | ✗ 非該当 | 50.16 | ○ 該当 |
| 60 | 37.5 | ✗ 非該当 | 68.4 | ○ 該当 |
| 79.9 | 49.9375 | ✗ 非該当 | 91.086 | ○ 該当 |
| 80 | 50 | ○ 該当 | 91.2 | ○ 該当 |
| 100 | 62.5 | ○ 該当 | 114 | ○ 該当 |
| 120 | 75 | ○ 該当 | 136.8 | ○ 該当 |
通知の換算では 80 m³N/h から、係数 1.14 の換算では 43.85… m³N/h(50 ÷ 1.14)から、50 L/h 以上になります。どちらの換算を使うかは、ボイラーを設置する所の自治体の資料で確認してください。
規模はボイラー1台ごとに見ます。都市ガスのボイラーが2台あり、それぞれ 60 m³N/h(通知の換算で重油換算 37.5 L/h)なら、重油換算の合計は 75 L/h ですが、どちらのボイラーも 50 L/h 未満です。
m³N/h(0 ℃・1 気圧)で入力する
東京都環境局の資料は、規模の表の m³ を「温度 0 度、圧力 1 気圧の状態に換算した気体 1 立方メートル」としています。川崎市の案内の「ノルマル立方メートル」も同じ意味です。ボイラーの仕様書のガスの量が、ほかの温度や圧力の状態の体積で書かれているときは、0 ℃・1 気圧の体積に直してから入力します。直し方が分からないときは、ボイラーメーカーに確認してください。
燃焼能力は、ボイラーの仕様で決まる最大の値です。ガスメーターで測った月々の使用量を、運転した時間で割った値ではありません。
都市ガスを発熱量の比で換算する自治体
横浜市の届出の手引は、都市ガス 13A の重油換算を「燃焼能力×(燃料の発熱量÷重油の発熱量)」とし、13A の発熱量 10,750 kcal/m³N・重油の発熱量 9,450 kcal/L で、60 m³N/h を 68.2 L/h としています。通知の換算なら 37.5 L/h なので、横浜市では 50 L/h 以上、通知の換算の自治体では 50 L/h 未満になります。大阪府の換算係数(1.14)では 68.4 L/h です。
このアプリで計算するときは、「詳しい設定」の換算の方法を「換算係数を入力」にして、行ごとに換算係数を入力します。係数の求め方は「重油換算の換算係数」のページにあります。
LPガスのボイラー
LPガスの燃焼能力は、kg/h で書かれていることがよくあります。通知の換算は、気体燃料を体積(m³)で決めているので、kg/h のままでは換算できません。このアプリでは燃料の種類を「LPガス・LNG(kg/h)」にし、換算係数で計算します。
大阪府の届出のしおりの表は、液化石油ガス 1 kg を重油 1.2 L としています。この係数なら、30 kg/h は 36 L/h、45 kg/h は 54 L/h です。ほかの自治体では、どの値で換算するかを届出先に確認してから入力してください。
ガスエンジン(ガス機関)は別の式
都市ガスを燃やすガス機関(ガスエンジン)は、16 m³ = 10 L ではなく、発熱量を使う式で重油換算し、規模も 35 L/h 以上です(東京都環境局の資料の※4)。式と例は「ガス機関・ディーゼル機関・ガスタービンの重油換算と規模」のページにあります。
出典
- 環境庁大気保全局長通知「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」(昭和46年8月25日 環大企5号): 第1の2(重油換算=液体燃料 10 L・ガス燃料 16 m³・固形燃料 16 kg が重油 10 L に相当)
- 川崎市 よくある質問「ボイラーの設置の届出方法について知りたい。」(No.13241): 都市ガスで 80 m³N/h 以上・液体燃料で 50 L/h 以上・工事に着手する 60 日前までに届出
- 東京都環境局「3 規制対象施設等」表3-1-1 大気汚染防止法 ばい煙発生施設(2022年3月): 備考(m³ は 0 度・1 気圧)・※4 ガス機関
- 大阪府環境農林水産部環境管理室「大気関係 届出のしおり 大気汚染防止法 大阪府生活環境の保全等に関する条例 ばい煙、ばいじん編」(令和6年4月): p.15(都市ガス(13A)1 m³ が重油 1.14 L・液化石油ガス 1 kg が 1.2 L)
- 横浜市 みどり環境局「大気汚染防止法による ばい煙発生施設に係る届出の手引」(令和6年4月): p.9 計算方法A(60 m³N/h で 68.2 L/h)