説明

ボイラーの燃焼能力と重油換算 50 L/h(ばい煙発生施設の規模と令和4年の改正)

ボイラーは、燃料の燃焼能力が重油換算 50 L/h 以上ならばい煙発生施設です。

ボイラーの規模(別表第1 の1の項)

大気汚染防止法施行令の別表第1 の1の項は、ボイラー(熱風ボイラーを含み、熱源として電気又は廃熱のみを使用するものを除く。)のうち、「燃料の燃焼能力が重油換算一時間当たり五〇リットル以上であること」に当たる物を、ばい煙発生施設としています。50 L/h ちょうども含みます。

熱風ボイラーには、昭和46年の環境庁の通知(環大企5号)が、サウナ風呂の空気を加熱する加熱器(通称エア・ボイラー)や、クローズドサイクルタイプのガスタービンの空気加熱器を挙げています。さいたま市の資料は、冷温水発生機・熱媒体ボイラー・公衆浴場の湯沸釜・木くずを燃料とするボイラーもボイラーに含むとしています。

規模は、施設(ボイラー1台)ごとの燃料の燃焼能力で見ます。同じ通知の第1の3 は、複数のばい煙発生施設が1台の変圧器を共用している場合も、それぞれの施設の電力容量で規模を見るとしています。昭和60年には、伝熱面積が 10 m² 未満の小型ボイラーを1か所にたくさん置く「多缶設置」が国会で取り上げられ、政府は施行令を改正して「バーナーの燃料の燃焼能力が重油換算一時間当たり五十リットル以上のボイラー」をばい煙発生施設に加えたと答弁しています。

令和4年10月1日の改正(伝熱面積の要件が無くなった)

改正前の規模は「伝熱面積が10平方メートル以上であるか、又はバーナーの燃料の燃焼能力が重油換算1時間当たり50リットル以上」でした。大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(令和3年政令第275号)で、令和4年10月1日から「燃料の燃焼能力が重油換算1時間当たり50リットル以上」だけになりました。

環境省の施行通知(環水大大発第2203302号)は、理由を3つ挙げています。ボイラーの規模を示す指標には、排出ガス量と一定の比例関係を持つ燃料使用量が適切なこと。伝熱面積は排出ガス量と強い相関があるとは言えなくなり、規模要件にすると公平さを欠くこと。バーナーを持たないボイラーも、燃料の燃焼能力で等しく規制するべきこと。きっかけは、バイオマスを燃料とするボイラーが伝熱面積の要件で規制対象になりやすい、という事業者の要望でした。

燃料の燃焼能力の読み方

パブリックコメントでは、燃料をコンベアなどで連続して投入するボイラーの燃焼能力について、環境省は「燃焼計算等により算出する、燃料を最大燃焼させることのできる値」で、投入量に応じて変化するものではないと回答しています。バーナーを持たないボイラーの燃焼能力は、ボイラーの仕様に係るものなので、設置者を通じてボイラーメーカーなどに問い合わせるよう回答しています。

施行通知の第6 は、伝熱面積の要件で規制を受けていた施設が、燃料の燃焼能力で改めて規制対象になる可能性があるので、燃料の燃焼能力の確認を徹底するよう求めています。

届出の時期(目安)と条例

ばい煙発生施設を設置するときは、事前の届出が要ります。川崎市と函館市の案内は、設置の工事に着手する 60 日前までの届出としています。届出の様式・窓口・条例の届出は自治体ごとに違うので、ボイラーを設置する所の自治体に確認してください。

条例で、もっと小さいボイラーを規制している自治体もあります。三重県の見直しの最終案(2022年)は、県条例の規模を重油換算 30 L/h 以上(伝熱面積 8 m² 未満の物などを除く)とする案です。函館市は、固体燃料を燃やすボイラーで、燃焼能力が 25 L/h 以上 50 L/h 未満の物を、条例の届出の対象にしています。

出典

重油換算を計算する