液体燃料 10 L・気体燃料 16 m³・固体燃料 16 kg を、重油 10 L として換算します。
重油換算の決まり
大気汚染防止法施行令の別表第1 は、ボイラーなどのばい煙発生施設の規模を「燃料の燃焼能力が重油換算一時間当たり五〇リットル以上」のように、重油の量で決めています。重油以外の燃料は、昭和46年の環境庁の通知(環大企5号)の第1の2 で、重油の量に直します。
令別表第1の下欄中の重油換算は、重油10lあたりが、液体燃料は10lに、ガス燃料は16m3に、固形燃料は16kgに、それぞれ相当するものとして取り扱われたい。
2021年の政令改正のパブリックコメントでも、環境省は固体燃料の重油換算について、この通知を参照するよう回答しています。東京都環境局の資料(表3-1-1 の※2)と、さいたま市・久留米市・函館市の資料も同じ換算を載せています。
計算式
× 10 ÷ 16 は ÷ 1.6 と同じです。函館市の資料は「液体燃料 1L,気体燃料 1.6m3,固体燃料 1.6kg が重油 1L に相当します」と書いています。液体燃料は、重油・灯油・軽油のどれでも、1 L を重油 1 L として換算します。気体燃料の m³ は、温度 0 ℃・圧力 1 気圧の状態に換算した体積(m³N)です(東京都環境局の資料の備考)。
例: 液体燃料 10 L/h、気体燃料 16 m³N/h、固体燃料 16 kg/h は、どれも重油換算 10 L/h です。
換算の例(気体燃料・固体燃料)
気体燃料(m³N/h)と固体燃料(kg/h)は同じ換算(× 10 ÷ 16)なので、1つの表にまとめました。このページを作るときに、計算の画面と同じ計算で求めた数値です。
| 燃焼能力 (m³N/h・kg/h) | 重油換算 (L/h) | 50 L/h 以上 |
|---|---|---|
| 16 | 10 | ✗ 非該当 |
| 32 | 20 | ✗ 非該当 |
| 48 | 30 | ✗ 非該当 |
| 64 | 40 | ✗ 非該当 |
| 79.9 | 49.9375 | ✗ 非該当 |
| 80 | 50 | ○ 該当 |
| 100 | 62.5 | ○ 該当 |
| 160 | 100 | ○ 該当 |
計算結果は丸めていません。10 ÷ 16 は 0.625 で割り切れるので、小数第3位までの燃焼能力なら、重油換算は小数第6位までで割り切れます。
50 L/h になる燃焼能力
逆に、重油換算で 50 L/h になる燃焼能力は、液体燃料で 50 L/h、気体燃料で 80 m³N/h、固体燃料で 80 kg/h です(50 × 16 ÷ 10 = 80)。この値以上なら、ボイラーのばい煙発生施設の規模(重油換算 50 L/h 以上)に該当します。
発熱量の比で換算する決まり
通知の換算は、燃料の発熱量によりません。灯油と重油の発熱量の違いや、都市ガスの種類の違いを考えずに、量だけで換算します。
一方で、燃料の発熱量 ÷ 重油の発熱量(換算係数)を燃焼能力に掛ける決まりもあります。大阪府の届出のしおりと横浜市の届出の手引は、ボイラーの燃焼能力もこの形で重油換算しています。ガス機関と燃料電池用改質器の規模(東京都環境局の資料の※3・※4)と、硫黄酸化物の総量規制の特定工場等の規模(昭和50年環境庁告示第13号)も、発熱量による換算です。式と自治体の値は「重油換算の換算係数」のページにまとめました。
出典
- 環境庁大気保全局長通知「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」(昭和46年8月25日 環大企5号): 第1の2(重油換算=液体燃料 10 L・ガス燃料 16 m³・固形燃料 16 kg が重油 10 L に相当)
- 環境省「大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令案」に関する意見募集(パブリックコメント)の結果について(令和3年9月24日): 意見14〜18 への回答(固体燃料の重油換算は環大企5号を参照)
- 東京都環境局「3 規制対象施設等」表3-1-1 大気汚染防止法 ばい煙発生施設(2022年3月): ※2 重油換算の方法・※3・※4・備考
- さいたま市 環境局環境共生部環境対策課「(固定発生源)ばい煙関係」(令和7年): 表-1 の注2
- 久留米市「ばい煙発生施設(大気汚染防止法施行令別表第1)規模要件」: 別表第1 の施設と規模の一覧・重油換算の注(液体燃料 10 L・ガス燃料 16 m³・固体燃料 16 kg)・ガス機関の換算式(9,600 kcal/L)
- 函館市「公害関係法令の届出について」(2026年4月): 液体燃料 1 L・気体燃料 1.6 m³・固体燃料 1.6 kg が重油 1 L に相当
- 大阪府環境農林水産部環境管理室「大気関係 届出のしおり 大気汚染防止法 大阪府生活環境の保全等に関する条例 ばい煙、ばいじん編」(令和6年4月): p.15「施設規模」の燃焼能力の換算(原油又は軽油 0.95・ナフサ又は灯油 0.9・液化天然ガス 1.3・液化石油ガス 1.2・都市ガス(13A)1.14)・p.24 の記載例・p.26 の記載上の注意・p.29 の混焼の例
- 横浜市 みどり環境局「大気汚染防止法による ばい煙発生施設に係る届出の手引」(令和6年4月): p.2〜3 の表(ボイラー 燃焼能力 50 リットル/時 以上・燃焼能力は重油換算)・p.9 計算方法A(都市ガス 13A 10,750 kcal/m³N・重油 9,450 kcal/L・60 m³N/h で 68.2 L/h)
- 環境庁告示第13号「硫黄酸化物に係る特定工場等の規模に関する基準に係る原料及び燃料の量の重油の量への換算方法」(昭和50年3月10日): 総量規制の特定工場等の規模の換算表(燃料ごとの発熱量による換算)