換算係数は、燃料 1 単位が重油何 L に当たるかの値です。
換算係数の式
換算係数は、燃料 1 単位(1 L・1 m³N・1 kg)が重油何 L に当たるかの値です。久留米市とさいたま市の資料は、ガス機関などの重油換算を、換算係数 × 気体燃料の燃焼能力 とし、換算係数を 気体燃料の高位(総)発熱量 ÷ 重油の発熱量 としています。燃料の発熱量と重油の発熱量は、同じ単位(kcal か kJ)にしてから割ります。
昭和46年の通知の換算(液体燃料 10 L・気体燃料 16 m³・固体燃料 16 kg = 重油 10 L)を換算係数で書くと、液体燃料 1、気体燃料と固体燃料 0.625 です。発熱量の比の換算では、燃料の種類ごとに係数が変わります。
大阪府の届出のしおりの表
大阪府の「大気関係 届出のしおり」(令和6年4月)は、大気汚染防止法のばい煙発生施設の一覧で、ボイラーの規模を「燃焼能力(50L/時以上)」とし、表の「燃焼能力」は重油換算した燃焼能力としています。15ページの「施設規模」の解説は、燃焼能力を「バーナーの燃料の燃焼能力を重油換算したものの1時間値」とし、重油換算を次の表で示しています。
| 燃料の種類 | 燃料の量 | 重油の量 (L) |
|---|---|---|
| 原油又は軽油 | 1 L | 0.95 |
| ナフサ又は灯油 | 1 L | 0.9 |
| 液化天然ガス | 1 kg | 1.3 |
| 液化石油ガス | 1 kg | 1.2 |
| 都市ガス(13A) | 1 m³ | 1.14 |
都市ガス(13A)の 1.14 は、平成15年2月27日以降に届出が生じた場合の値で、それより前に届け出た物は 1.17 です。表に無い燃料は、その燃料と同じ発熱量(総(高)発熱量)を持つ重油(発熱量 43,950 kJ/kg、比重 0.9)の量に換算します。原油又は軽油・ナフサ又は灯油・液化天然ガス・液化石油ガスの値は、総量規制の換算表(昭和50年環境庁告示第13号)と同じです。
しおりの例: 都市ガス(13A)50 m³/h は「50×1.14=57L/h」(29ページ・このアプリでは 57 L/h)、ボイラーの届出書の記載例は都市ガス 85.6 m³/時 を 97.6 L/時としています(24ページ・このアプリでは丸めずに 97.584 L/h)。
横浜市の届出の手引の計算方法
横浜市の「大気汚染防止法による ばい煙発生施設に係る届出の手引」(令和6年4月)は、ボイラーの規模を燃焼能力 50 リットル/時 以上とし、都市ガス 13A の重油換算を計算方法Aで求めます。
このアプリでは、換算係数に 10,750 ÷ 9,450 = 1.137566… を小数第6位まで(1.137566)入力します。60 m³N/h なら 68.25396 L/h で、小数第2位から下を切り捨てると、手引と同じ 68.2 L/h です。
横浜市の条例(生活環境の保全等に関する条例施行規則 別表第1 の備考1)の換算は、また別の決まりです。液体燃料は 1 L が重油 1 L、石炭は 1 kg が重油 0.66 L、気体燃料は換算係数=発熱量(kJ/m³N)÷ 重油の発熱量(39,558.1725 kJ/L)で、13A(45,000 kJ/m³N)の係数は 1.137565… です。
通知の換算との違い
大阪府の表の換算係数は、都市ガスでは通知の換算より大きく、灯油や軽油では少し小さくなります。灯油 55 L/h は、通知の換算では 55 L/h(該当する)ですが、大阪府の表の 0.9 では 49.5 L/h(該当しない)です。軽油 52 L/h も、0.95 を掛けると 49.4 L/h です。
東京都・さいたま市・久留米市・函館市などの資料は通知の換算を、大阪府・横浜市の資料は発熱量の比の換算を載せています。届出が要るかを確かめるときは、ボイラーを設置する所の都道府県・市の資料で、どちらの換算かを先に確認してください。
出典
- 大阪府環境農林水産部環境管理室「大気関係 届出のしおり 大気汚染防止法 大阪府生活環境の保全等に関する条例 ばい煙、ばいじん編」(令和6年4月): p.15「施設規模」の燃焼能力の換算(原油又は軽油 0.95・ナフサ又は灯油 0.9・液化天然ガス 1.3・液化石油ガス 1.2・都市ガス(13A)1.14)・p.24 の記載例・p.26 の記載上の注意・p.29 の混焼の例
- 横浜市 みどり環境局「大気汚染防止法による ばい煙発生施設に係る届出の手引」(令和6年4月): p.2〜3 の表(ボイラー 燃焼能力 50 リットル/時 以上・燃焼能力は重油換算)・p.9 計算方法A(都市ガス 13A 10,750 kcal/m³N・重油 9,450 kcal/L・60 m³N/h で 68.2 L/h)
- 横浜市「重油以外の燃料の重油の量への換算方法」(横浜市生活環境の保全等に関する条例施行規則 別表第1 備考1): 条例の換算(液体燃料 1 L が重油 1 L・石炭 1 kg が重油 0.66 L・気体燃料は発熱量で換算・重油の発熱量 39,558.1725 kJ/L)
- 久留米市「ばい煙発生施設(大気汚染防止法施行令別表第1)規模要件」: 重油換算値=換算係数×気体燃料の燃焼能力・換算係数=気体燃料の高位発熱量÷重油の発熱量
- さいたま市 環境局環境共生部環境対策課「(固定発生源)ばい煙関係」(令和7年): 表-1 の注2(重油 1 L が液体燃料 1 L・ガス燃料 1.6 m³・固体燃料 1.6 kg)・ガス機関とガソリン機関の換算係数(重油の発熱量 9,600 kcal/L・参考値 13A 1.15 など)
- 東京都環境局「3 規制対象施設等」表3-1-1 大気汚染防止法 ばい煙発生施設(2022年3月): ※2 重油換算の方法・※3 改質器と※4 ガス機関の式(例: 13A は 31 m³/時が 35 L/時)・備考(m³ は 0 度・1 気圧)・29〜32 の項の規模
- 函館市「公害関係法令の届出について」(2026年4月): 液体燃料 1 L・気体燃料 1.6 m³・固体燃料 1.6 kg が重油 1 L に相当・条例の固体燃料のボイラー(25 L/h 以上 50 L/h 未満)
- 環境庁大気保全局長通知「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」(昭和46年8月25日 環大企5号): 第1の2(重油換算=液体燃料 10 L・ガス燃料 16 m³・固形燃料 16 kg が重油 10 L に相当)
- 環境庁告示第13号「硫黄酸化物に係る特定工場等の規模に関する基準に係る原料及び燃料の量の重油の量への換算方法」(昭和50年3月10日): 総量規制の特定工場等の規模の換算表(燃料ごとの発熱量による換算)