有効容量は、受水槽の最高水位と最低水位の間に貯留される水量です。
有効容量の定義
熊本県の簡易専用水道取扱要領は、有効容量とは、受水槽において適正に利用可能な容量であって、水槽の最高水位と最低水位との間に貯留される水量をいう、としています。倉敷市保健所の簡易専用水道の管理の手引きは、それぞれの水位を次のように説明しています。
- 最高水位(ハイウォーターレベル): 受水槽の定水位装置(ボールタップ、水面感知センサー等)により決定される水位
- 最低水位(ローウォーターレベル): 受水槽内の揚水管の吸込管端から、揚水管径の 1.5 倍上部の水位
受水槽の外形から求めた容量と有効容量は同じではありません。最高水位より上と、最低水位より下の水は、有効容量に入りません。計画一日使用水量の 4/10〜6/10 と比べるのも、10 m³ を超えるかで簡易専用水道を決めるのも、有効容量です。
受水槽の水位の名前(鹿児島市の基準の参考図)
鹿児島市の基準の受水槽参考図(定水位弁の図 4-11)は、受水槽の各水位を上から次の名前で示しています。
- 越流水位
- 異常給水停止水位
- 満水警報水位
- 給水停止水位
- 給水開始水位
- 減水警報水位
- ポンプ空転防止水位
倉敷市の手引きの最高水位は、定水位装置(ボールタップ、水面感知センサー等)で決まる水位です。最低水位は揚水管の吸込管端の位置と揚水管径で決まるので、揚水管の太さが変わると有効容量も変わります。
受水槽が2槽あるとき
熊本県の要領は、受水槽が2槽以上ある場合で、それぞれの受水槽が給水管により相互に連結されているものは、各槽の有効容量の合計で簡易専用水道かを判断する、としています。静岡市の基準は、清掃点検時等に断水しないよう2槽式とし、これを相互連絡使用できることが望ましい、としています。神戸市の基準は、有効容量が 10 m³ 以上となるものは2槽式とし、5 m³ 以上となるものも2槽式を検討する、としています。
このアプリの「今の受水槽の有効容量」には、2槽式なら2槽の有効容量の合計を入力します。
飲用でない水槽と、消火用を兼ねる受水槽
倉敷市の手引きは、工業用水や消防用水として利用し、全く飲用に供さない施設は簡易専用水道に該当しない、としています。神戸市の基準は、消火用タンクと低置タンク(受水タンク)を兼ねる場合の容量はその合計容量とし、かつ1日当り使用水量の範囲内とする、としています。
出典
- 熊本県「簡易専用水道取扱要領」第2 対象施設・第6 施設の管理・第7 管理状況の検査
- 倉敷市保健所「簡易専用水道の管理の手引き(倉敷市版)」
- 鹿児島市水道局「給水装置工事施行基準(2026.4 改正版)」3-1-18 受水槽式給水の計画使用水量・3-1-28 計算例・4-1-8 受水槽の有効容量・4-2-1 高置水槽の有効容量・参-9-4 計算例(給水)例題5
- 静岡市上下水道局「給水装置工事施工基準」(令和8年4月改訂)第5章 受水槽以下給水設備設置基準 第4節 2 受水槽容量の算定・3 受水槽への流入管口径・5 高置水槽の設置基準
- 神戸市水道局「給水装置工事施行基準 2023」Ⅱ 受水タンク以下装置指導基準 2.4 受水タンクの大きさ・2.5 補給水量