マンション・病院・事務所の受水槽の容量の求め方と、基準の違いをまとめました。
マンションの受水槽の容量は
鹿児島市の基準の例題5(3DK 20戸・1人1日当たり 230 L)は、4人 × 230 L × 20戸 = 18,400 L/日 を計画一日使用水量とし、受水槽 7.36 m³(4/10)、高置水槽 1.84 m³(1/10)としています。間取りの違う住戸があるときは、「使用人員」のタブで間取りごとに1行ずつ入力します。
病院の受水槽の容量は
表 3‐11 は、総合病院の単位給水量を 1,500〜3,500 L/床(延べ面積1 m² 当り 30〜60 L)、使用時間を 16 h/日とし、設備内容などにより詳細に検討する、としています。200床なら 300 m³/日〜700 m³/日 と幅が大きいので、設備の内容で計画一日使用水量を決めてから、このアプリに入力します。
使用時間で決める神戸市の式では、同じ計画一日使用水量でも、使用時間が長いほど受水タンクの有効容量は小さくなります。38.4 m³/日 なら、16時間で 9.6〜14.4 m³、24時間で 6.4〜9.6 m³ です。鹿児島市の基準の水道メーター口径決定表は、病院等昼夜稼働の事業所を1日24時間使用としています。その地域の水道事業者の基準を確かめてください。
事務所ビルの受水槽の容量は
官公庁・事務所の単位給水量は在勤者1人当り 60〜100 L/人です(表 3‐11)。在勤者 200人・100 L なら計画一日使用水量 20 m³/日、受水槽の有効容量は 5/10 で 10 m³ です。10 m³ ちょうどは「10 m³ を超える」に入らないので、簡易専用水道にはなりません。表の備考のとおり、社員食堂・シャワーなどは別途加算します。
4/10・5/10・6/10 のどれを選べばよいですか
鹿児島市・静岡市の基準は 4/10〜6/10 を標準としていて、どれかに決めてはいません。鹿児島市の基準では、受水槽式の計算例が 5/10、参考資料の例題5が 4/10 です。このアプリは 5/10 で開き、「詳しい設定」で替えられます。標準の範囲(4/10〜6/10)はいつも一緒に表示します。
受水槽の容量と有効容量の違いは
有効容量は、受水槽の最高水位と最低水位の間に貯留される水量です(熊本県の要領)。受水槽の外形から求めた容量には、最高水位より上と最低水位より下の水も入ります。詳しくは「受水槽の有効容量とは」にまとめました。
高置水槽の無い建物では
圧力水槽式とポンプ直送式は、受水槽の水をポンプで給水する方式で、高置水槽を使いません(静岡市の基準 第5章 第4節 1)。「詳しい設定」の給水方式を圧力水槽式かポンプ直送式にすると、受水槽の有効容量と流入量だけを表示します。
どの地域でも同じ基準ですか
受水槽の容量の基準は、水道事業者(市町村の水道局など)ごとに決まっています。このページで引いた鹿児島市・静岡市・神戸市の基準でも、高置水槽の決め方(計画一日使用水量の 1/10・受水槽の 1/5〜1/10・使用時間の 0.5〜1時間分)が違います。工事の前に、その地域の基準を確認してください。
出典
- 鹿児島市水道局「給水装置工事施行基準(2026.4 改正版)」3-1-18 受水槽式給水の計画使用水量・3-1-28 計算例・4-1-8 受水槽の有効容量・4-2-1 高置水槽の有効容量・参-9-4 計算例(給水)例題5
- 静岡市上下水道局「給水装置工事施工基準」(令和8年4月改訂)第5章 受水槽以下給水設備設置基準 第4節 2 受水槽容量の算定・3 受水槽への流入管口径・5 高置水槽の設置基準
- 神戸市水道局「給水装置工事施行基準 2023」Ⅱ 受水タンク以下装置指導基準 2.4 受水タンクの大きさ・2.5 補給水量
- 熊本県「簡易専用水道取扱要領」第2 対象施設・第6 施設の管理・第7 管理状況の検査