令和8年の改定、工種による違い、ほかの共通費の率との違いなどの質問と回答です。
工事原価から、一般管理費等率 Gp と一般管理費等・工事価格(円)
令和8年の改定で何が変わりましたか
国土交通省は令和8年3月11日に公共建築工事共通費積算基準を改定し、業界団体の協力を得た実態調査を踏まえて一般管理費等率を見直しました。建築工事、電気設備工事、機械設備工事等で分かれていた算定式等は1つにまとめられ、Gp = 32.597 − 3.591 × log10(Cp) になりました。令和8年4月以降に入札手続きを開始する官庁営繕工事に適用されます(国土交通省 報道発表)。
建築・電気・機械・昇降機で率は違いますか
違いません。別表-15 の題は「一般管理費等率(建築工事、電気設備工事、機械設備工事、昇降機設備工事)」で、国土交通省の資料も「各工種(A,E,M,EV)で共通の算定式を用いる」としています。新営と改修の区別もありません。
共通仮設費率・現場管理費率と何が違いますか
| 率 | 率を求める額 | 式に使う数 | 対数 |
|---|---|---|---|
| 共通仮設費率 Kr | 直接工事費 P | P と工期 T | loge(自然対数) |
| 現場管理費率 Jo | 純工事費 Np | Np と工期 T | loge(自然対数) |
| 一般管理費等率 Gp | 工事原価 Cp | Cp だけ | log10(常用対数) |
共通仮設費率と現場管理費率は、新営・改修と工種ごとに式があり(昇降機設備工事の式は工期を使いません)、直接工事費・純工事費が式の範囲を外れると別途定めることができる、という注があります。一般管理費等率は工期も工種も使わず、範囲の外を一定の率(20.11 %・9.34 %)で決めています。
工事原価は千円と円のどちらで計算しますか
算定式の Cp は千円です。工事原価 193,634,750 円 なら 193,634.750 千円 で、log10 に代入するのはこの数です。円のまま代入すると、まったく違う率になります(話題「計算方法と log」のよくある間違い)。このアプリは「詳しい設定」で円の入力にも切り替えられます。
3百万円以下や30億円を超える工事の率は
工事原価 3百万円以下は 20.11 %、30億円を超えると 9.34 % で、工事原価によらず一定です。3百万円ちょうどは 20.11 %、30億円ちょうどは算定式の区分で 9.34 % です。
工事原価が大きくなると率はどれだけ下がりますか
log10 の係数が 3.591 なので、工事原価が10倍になるごとに 3.591 ポイント下がります。2倍では 3.591 × log10(2) = 約 1.08 ポイントです。1億円の 14.64 % に対して、2億円は 13.56 %、10億円は 11.05 % です。
発注者の内訳書の一般管理費等と合わないときは
次の点を確かめます。前払金支出割合による補正(補正係数 1.01〜1.05)、契約保証費の加算(0.04 %・0.09 %)、工事価格を上位4桁にする調整、1円未満の切り捨て、工事原価の合計の取り方(一括発注・設計変更)です。地方公共団体の工事では、その団体の積算基準が別の率や端数処理を定めていることがあります。
出典
- 報道発表資料「公共建築工事積算基準類の改定」(国土交通省 令和8年3月11日): 令和8年3月11日 改定の概要・適用の時期・③一般管理費等率の見直し
- 公共建築工事共通費積算基準(令和8年改定)国土交通省大臣官房官庁営繕部: 別表-1〜14 の算定式と注・別表-15
- 「公共建築工事共通費積算基準」における共通費の算定について(国土交通省 官庁営繕部): p.3 各工種(A,E,M,EV)で共通の算定式
- 公共建築工事積算基準等資料(令和8年改定)国土交通省大臣官房官庁営繕部計画課: 第3編 第1章 1・第4章
工事原価から、一般管理費等率 Gp と一般管理費等・工事価格(円)