一般管理費等率の式の log は常用対数です。Excel では LOG10 関数で計算します。
工事原価から、一般管理費等率 Gp と一般管理費等・工事価格(円)
log10(常用対数)とは
log10(Cp) は、10 を何乗すると Cp になるかを表す数です。100,000 は 10 の5乗なので log10(100,000) = 5、1,000,000 は 10 の6乗なので 6 です。算定例[イ]の 193,634.750 は 10 の5乗と6乗の間で、log10(193,634.750) = 5.286983… です。
国土交通省の「「公共建築工事共通費積算基準」における共通費の算定について」は、「一般管理費等率については、常用対数を利用しているため、共通費の算定に当たっては注意が必要」と書いています。共通仮設費率と現場管理費率の式は Exp( ) と loge(自然対数)を使い、一般管理費等率の式だけが log10 です。
計算の手順(算定例[イ]の数で)
- 工事原価を千円にします(193,634,750 円 → 193,634.750 千円)。
- 区分を確かめます。3,000 千円 以下なら 20.11 %、3,000,000 千円 を超えるなら 9.34 % で、式は使いません。
- log10(Cp) を求めます(log10(193,634.750) = 5.286983…)。
- 3.591 を掛けます(3.591 × 5.286983… = 18.985557…)。
- 32.597 から引きます(32.597 − 18.985557… = 13.611442…)。
- 小数点以下第3位を四捨五入します(13.61 %)。
この数は国土交通省の算定例[イ]の 13.61 % と同じです。
Excel で計算する
国土交通省の資料は、Excel では LOG10 関数で計算できるとして、一般管理費等率の式の例を次のように示しています(Cp は工事原価・千円)。
Gp=IFS((Cp)<=3000,20.11,(Cp)>3000000,9.34,TRUE,(32.597-3.591*LOG(Cp)))
Excel の LOG 関数は、底を省くと 10 を底にするので、LOG(Cp) と LOG10(Cp) は同じ値です。この式は四捨五入を含みません。別表-15 の注1 のとおり2位止めにするには、ROUND 関数を外側に加えます。セル A2 に工事原価(千円)があるときの例です。
=ROUND(IFS(A2<=3000,20.11,A2>3000000,9.34,TRUE,32.597-3.591*LOG10(A2)),2)
一般管理費等の金額は、工事原価(円)に Gp ÷ 100 を掛けて1円未満を切り捨てます。Excel では ROUNDDOWN 関数の桁数 0 で切り捨てられます。
関数電卓で計算する
関数電卓では log のキーが常用対数、ln のキーが自然対数です。193634.75 の log は 5.286983… です。この数に 3.591 を掛けて 32.597 から引き、小数点以下第3位を四捨五入します。
よくある間違い
- 自然対数(LN・ln)を使う: 32.597 − 3.591 × ln(193,634.750) = −11.11… で、負の率になります。共通仮設費率・現場管理費率の Excel の式は LN 関数なので、同じシートで式を写すと取り違えやすい所です。
- 工事原価を円のまま Cp に代入する: 193,634,750 を log10 に代入すると式の値は 2.838… で、区分の判定まで円のまま行うと30億円を超える扱いになって 9.34 % です。どちらも算定例の 13.61 % と違います。
- 四捨五入の前の率で金額を求める: 13.611442… % のまま掛けると、一般管理費等は 26,356,483 円(1円未満切捨て)で、2位止めの 13.61 % の 26,353,689 円 と 2,794 円 違います。
出典
- 「公共建築工事共通費積算基準」における共通費の算定について(国土交通省 官庁営繕部): p.3「常用対数を利用しているため…注意が必要」・LOG10関数・p.10 Excel の式の例
- 公共建築工事共通費積算基準(令和8年改定)国土交通省大臣官房官庁営繕部: 別表-15 算定式・注1
- 公共建築工事の工事費積算における共通費の算定方法及び算定例(国土交通省 官庁営繕部): p.3 算定例[イ](Cp 193,634.750・Gp 13.61%)
工事原価から、一般管理費等率 Gp と一般管理費等・工事価格(円)