換気回数は、必要換気量を部屋の容積で割った値です。
換気回数の式
文部科学省の報告書は、建築基準法に基づいた必要換気量を「教室の容積 × 換気回数」で求めるとしています。この計算では、人数と CO2 から求めた必要換気量を部屋の容積で割り、1時間に部屋の容積の何倍の外気が要るかを換気回数で表示します。
例: 報告書の計算例の教室(床面積 60 m²・天井高 3 m・容積 180 m³)は、必要換気量 420.0 ÷ 180 = 2.33 回/h です。
表1-6 の換気回数(40人・容積 180 m³ の教室)
報告書の表1-6(学校環境衛生の基準に基づく教室の空気の検査項目等)には、40人在室・容積 180 m³ の教室の換気回数として、幼稚園・小学校 2.2 回/h 以上、中学校 3.2 回/h 以上、高等学校等 4.4 回/h 以上が載っています。表1-6 には計算の条件が書いてありませんが、表2-1 の呼出量・基準 1,500 ppm・外気 400 ppm で 40人の必要換気量を計算すると、次のようになります。区分は、幼稚園・小学校が「幼稚園・小学生(低学年)」、中学校が「小学生(高学年)・中学生」、高等学校等が「高校生・大人」です。必要換気量の単位は m³/h、換気回数と表1-6 の値の単位は回/h です。
| 学校 | 必要換気量 | 換気回数 | 表1-6 |
|---|---|---|---|
| 幼稚園・小学校 | 400.0 | 2.22 | 2.2 以上 |
| 中学校 | 581.8 | 3.23 | 3.2 以上 |
| 高等学校等 | 800.0 | 4.44 | 4.4 以上 |
小数第1位まで見ると、表1-6 の値と同じです。
1人当たり 30 m³/h と換気回数
厚生労働省の資料(令和2年11月)は、一人あたり毎時 30 m³ の換気量が、標準的な商店売り場(一人あたり占有面積 3.3 m²・天井高さ 2.8 m)で毎時 3.2 回、標準的なオフィス(一人あたり占有面積 5 m²・天井高さ 2.8 m)で毎時 2.1 回の換気回数に相当するとしています(空気調和・衛生工学会の資料による)。
式で確かめると、30 ÷(3.3 × 2.8)= 3.25 回/h、30 ÷(5 × 2.8)= 2.14 回/h です。1人当たりの床面積が狭いほど、同じ 1人当たりの換気量でも換気回数は大きくなります。
シックハウス対策の換気回数との違い
建築基準法のシックハウス対策の機械換気設備は、居室の容積と換気回数で設備容量を決めます。文部科学省の報告書は、学校の教室等の居室には換気回数 0.3 回/h 以上の換気設備の設備容量が必要としています(第1章(4)1))。
人数と CO2 から求める必要換気量とは決め方が違います。報告書の計算例の教室では、CO2 から求めた換気回数は 2.33 回/h で、0.3 回/h よりずっと大きくなります。報告書は、普通教室の必要換気量を、学校環境衛生の基準に基づく場合(人数と CO2)と、建築基準法に基づく場合(容積と換気回数)の2つで示しています。
出典
- 文部科学省「学校施設の換気設備に関する調査研究報告書」第2章 換気設備計画の立案(1)1)必要換気量の算定(式・表2-1 1人当たりのCO2呼出量・小学校低学年教室での計算例)
- 文部科学省「学校施設の換気設備に関する調査研究報告書」第1章(4)2)学校環境衛生の基準への対応(表1-6 二酸化炭素 1500ppm・換気回数)
- 厚生労働省「冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について」(令和2年11月27日・二酸化炭素濃度と換気量・外気の二酸化炭素濃度)
- 文部科学省「学校施設の換気設備に関する調査研究報告書」第1章(4)1)建築基準法への対応(機械換気設備の設備容量・全熱交換器の有効換気量率)