入力する欄と、計算結果の見方・詳しい設定の使い方を、出典の計算例で説明します。
入力する欄
- 管の外径(mm): 配管の外側の直径(保温筒の内径)です。出典の計算例は、100A を 114 mm(0.114 m)、25A を 34 mm(0.034 m)、80A を 89.1 mm(0.0891 m)として計算しています。
- 保温の厚さ(mm): 保温材の厚さ(片側)です。保温の外径 d1 は、管の外径+厚さ×2 です。0 を入力すると、保温なし(裸管)の放散熱量を表示します。
- 保温材の熱伝導率(W/(m·K)): 保温材の、平均温度での熱伝導率です。平均温度は(内部流体温度+周囲温度)÷2 で見ます。カタログに λ=λ0+β×θ の式が書いてあるときは、「詳しい設定」で式の入力に切り替えると、λ0 と β から平均温度での λ を計算します。
- 内部流体温度・周囲温度(℃): 管の中の蒸気・温水・冷水・冷媒などの温度です。保温の外側の空気の温度です。内部流体温度の方が高ければ保温(放散熱量)、低ければ保冷(侵入熱量)として計算します。
- 管の長さ(m・任意): 入力すると、その長さの放散熱量(W)も表示します。空欄のときは 1 m 当たりだけです。
計算結果の見方
いちばん大きな数は、管 1 m 当たりの放散熱量(W/m)です。その下に保温の表面温度(℃)と、管の長さを入力したときはその長さ分の放散熱量(W)を表示します。
「保温なしと比べる」(保冷のときは「保冷なしと比べる」)は、同じ管を保温しなかったときの放散熱量と、保温で減った割合です。保温なしは、同じ表面熱伝達率で求めた目安です(詳しくは「保温なし(裸管)の放熱量」)。
内部流体温度が周囲温度より低い保冷のときは、外から管へ入る熱を「侵入熱量」として正の数で表示します。出典の計算例は、同じ数を放散熱量のマイナスで書いています。
「計算の内訳」には、保温の外径・平均温度・熱抵抗・熱通過率と、数値を代入した式を表示します。
詳しい設定
熱伝導率の入力: 「値を入力」は平均温度での熱伝導率を1つ入力します。「式 λ0+β×θ」は、カタログの式の λ0 と β を入力すると、平均温度(内部流体温度+周囲温度)÷2 での λ を計算します。
表面熱伝達率: 初めは「保温 12・保冷 8(温度で選ぶ)」で、内部流体温度が周囲温度より高ければ 12、低ければ 8 W/(m²·K) で計算します(出典の値)。12 か 8 に決めることも、値を入力することもできます。
計算の例(出典 A の計算例 Q4)
鋼管 100A(外径 0.114 m)にグラスウールの保温筒 40 mm を巻き、内部流体温度が 100 ℃、周囲温度が 20 ℃ のときの例です。熱伝導率はマグパイプカバーの式 λ=0.031+0.000166×θ で入力します。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 管の外径・保温の厚さ | 114 mm・40 mm |
| 熱伝導率(平均温度 60 ℃) | 0.04096 W/(m·K) |
| 表面熱伝達率 | 12 W/(m²·K) |
| 放散熱量 | 36.3 W/m |
| 表面温度 | 25.0 ℃ |
| 保温なしの放散熱量 | 344 W/m |
| 減った割合 | 89.4 % |
出典の計算結果は 36.3 W/m・25.0 ℃ で、同じ数になります。
数の丸め方
計算は丸めずに行い、表示するときだけ四捨五入します。放散熱量は、100 以上を整数、10 以上を小数1桁、1 以上を小数2桁、1 未満を小数3桁で表示します(出典の計算例の 36.3 W/m・−7.76 W/m と同じ桁の数)。表面温度は小数1桁です。