保温を厚くするほど放散熱量は減りますが、減り方は少しずつ小さくなります。
厚さを変えたときの放散熱量
100A(外径 114 mm)・内部流体温度 100 ℃・周囲温度 20 ℃・熱伝導率 λ=0.031+0.000166×60=0.04096 W/(m·K)・表面熱伝達率 12 W/(m²·K) で、保温の厚さだけを変えた計算結果です。単位は、放散熱量が W/m、表面温度が ℃、減った割合が % です。
| 厚さ | 放散熱量 | 表面温度 | 減った割合 |
|---|---|---|---|
| なし | 344 | 100.0 | — |
| 20 mm | 59.7 | 30.3 | 82.6 |
| 25 mm | 50.8 | 28.2 | 85.2 |
| 30 mm | 44.6 | 26.8 | 87.0 |
| 40 mm | 36.3 | 25.0 | 89.4 |
| 50 mm | 31.1 | 23.9 | 90.9 |
| 65 mm | 26.1 | 22.8 | 92.4 |
| 75 mm | 23.8 | 22.4 | 93.1 |
| 100 mm | 19.9 | 21.7 | 94.2 |
保温材の熱抵抗は ln(d1/d0) に比例するので、厚さを2倍にしても熱抵抗は2倍になりません。この例では、20 mm を 40 mm にすると放散熱量は 39.1 % 減り、50 mm を 100 mm にすると 36.1 % 減ります。
厚さの決め方
JFEロックファイバーの技術資料は、省エネルギーの観点からは保温は厚いほど放散熱量が減るが、材料費や施工費は厚さとともに増えるので、そのバランスを考えて施工する厚さを決める、と書いています。
表面温度を決めて厚さを求めるときは、マグ・イゾベールの技術資料の (7)(8) 式を使います。
d1·ln(d1/d0) = (2λ/α)·(θo − θs)/(θs − θr)
x = (d1 − d0)/2
この式は d1 について四則と対数だけでは解けないので、出典は d1·ln(d1/d0) と保温保冷厚さの関係の図から厚さを読み取っています。このアプリでは、厚さを変えながら表面温度を確かめると同じことができます(例は「保温の表面温度の計算」の保冷の表)。
厚さの数のとり方
入力する厚さは保温材の片側の厚さで、保温の外径 d1 は管の外径に厚さの2倍を加えた数です。外装の厚さは入りません。出典の式は、保温材1層と表面の2つの熱抵抗で計算します。