保温なしの管の放散熱量と、保温でどれだけ減るかの求め方を説明します。
保温なしの放散熱量の式
保温材の熱抵抗 R1 を除き、管の外面から空気への熱抵抗 1/(α·π·d0) だけで計算します。TLV の資料の大気側の熱抵抗 R3=(1/α2)×(1/(π×管外径)) と同じで、マグ・イゾベールの (6) 式で d1=d0 としても同じ式になります。
100A(外径 0.114 m)・内部流体温度 100 ℃・周囲温度 20 ℃・α 12 なら、12 × π × 0.114 × 80 = 344 W/m です。
保温の効果(減った割合)
同じ管に 40 mm の保温をすると 36.3 W/m になり、減った割合は 89.4 % です。保温なしと保温ありは、同じ表面熱伝達率で計算しています。
| 管 | 保温なし | 25 mm | 40 mm | 50 mm |
|---|---|---|---|---|
| 25A | 103 | 20.9 | 16.2 | 14.5 |
| 80A | 269 | 41.7 | 30.3 | 26.1 |
| 100A | 344 | 50.8 | 36.4 | 31.1 |
表の数は放散熱量(W/m)です。管の外径は、出典の計算例と同じく 25A を 34 mm、80A を 89.1 mm、100A を 114 mm としました。条件は内部流体温度 100 ℃・周囲温度 20 ℃・λ 0.041 W/(m·K)・α 12 W/(m²·K) です。
裸の管の表面熱伝達率
裸の管の表面熱伝達率は、表面の温度と放射率(塗装やさびなどの表面の状態)で変わります。表面が熱いほど、空気の流れと放射で逃げる熱が増えて大きくなり、環境省の資料では、表面 200 ℃・放射率 0.8 の炉壁で、対流 9.3 と放射 11.0 を合わせて 20.3 W/(m²·K) です。
上の 100A の例で、保温なしの表面熱伝達率を 20 にすると 573 W/m になります。このときの保温の効果は 93.7 % で、同じ表面熱伝達率で比べた 89.4 % より大きくなります。保温なしの放散熱量をくわしく見たいときは、厚さを 0 にして、表面熱伝達率を「値を入力」で入力してください。
弁・フランジ
エイ・ケー・ケーの熱設計要領は、バルブなどの異型部分は直管より放散熱量が大きい、と書いています。保温していない弁やフランジがあるときは、直管の計算より多めに見込みます。