保温の表面温度は、放散熱量を表面熱伝達率と外周で割って、周囲温度に加えて求めます。
表面温度の式
保温の外面から空気へ逃げる熱は、表面熱伝達率 α × 外周の長さ π·d1 × 表面と空気の温度差(θs − θr)です。これが管の中から保温材を通ってきた放散熱量 q と等しいので、θs = q / (π·α·d1) + θr になります(マグ・イゾベールの技術資料の (9) 式)。
出典 A の計算例 Q4(100A・40 mm・内部流体温度 100 ℃・周囲温度 20 ℃)では、36.3 / (π × 12 × 0.194) + 20 = 25.0 ℃ です(出典の計算結果は 25.0 ℃)。
表面熱伝達率(保温 12・保冷 8)
マグ・イゾベールと JFEロックファイバーの技術資料は、保温の場合 12、保冷の場合 8 W/(m²·K) を使います。エイ・ケー・ケーの熱設計要領の計算例は、ジャケットから外気への熱伝達率を 8 W/(m²·K) として計算しています(ヒーターで保温する配管・保持温度 10 ℃)。
表面熱伝達率は、空気の流れ(対流)と放射の2つを合わせた値です。環境省の資料では、表面が 200 ℃・放射率 0.8 の炉壁で、対流 9.3 と放射 11.0 を合わせて 20.3 W/(m²·K) になっています。風のある屋外や、表面の温度が高いときは大きくなります。
表面熱伝達率を変えたときの表面温度
計算の例(100A・40 mm・内部流体温度 100 ℃・周囲温度 20 ℃・λ は式)で、表面熱伝達率だけを変えた計算結果です。
| 表面熱伝達率 | 放散熱量(W/m) | 表面温度(℃) |
|---|---|---|
| 8 W/(m²·K) | 35.2 | 27.2 |
| 10 W/(m²·K) | 35.9 | 25.9 |
| 12 W/(m²·K) | 36.3 | 25.0 |
| 15 W/(m²·K) | 36.8 | 24.0 |
| 20 W/(m²·K) | 37.2 | 23.1 |
表面熱伝達率が大きいほど、表面温度は周囲温度に近づきます。放散熱量は保温材の熱抵抗でほぼ決まるので、変わり方は小さくなります。
保冷の表面温度と結露
保冷では、保冷材の表面温度が周囲の空気の露点より低いと、表面に結露します。出典 A の計算例 Q5 は、外気 30 ℃・相対湿度 85% の露点を 27.2 ℃ とし、冷媒管 25A(外径 0.034 m)・内部流体温度 −20 ℃ で、表面温度が 27.2 ℃ 以上になる厚さを求めています。
| 保冷の厚さ | 侵入熱量(W/m) | 表面温度(℃) |
|---|---|---|
| 30 mm | 9.02 | 26.2 |
| 35 mm | 8.31 | 26.8 |
| 39 mm | 7.86 | 27.2 |
| 40 mm | 7.76 | 27.3 |
| 50 mm | 6.94 | 27.9 |
39 mm で表面温度が 27.2 ℃ になり、出典は 25A 40 mm 以上を選んでいます。40 mm のときの放散熱量は −7.76 W/m(出典の計算結果は −7.76 W/m)です。露点の計算は、このアプリには含まれていません。