速度伝達比は2つの歯車の歯数の比で、回転数の比の逆になります。
モジュールと歯数から中心距離・基準円直径・歯先円直径
速度伝達比の式
KHK の「1段歯車機構」は、一対の歯車をかみ合わせた歯車列を1段歯車機構といい、駆動歯車の歯数を z1、回転数を n1、被動歯車の歯数を z2、回転数を n2 として、速度伝達比 i を次の式 (2.1) で求めています。
歯数の比と回転数の比が逆になるので、歯数の多い歯車ほどゆっくり回ります。例: 歯数 12 の歯車で歯数 24 の歯車を回すと、i = 24 ÷ 12 = 2 です。
減速・等速・増速
資料は、速度伝達比 i の大きさにより1段歯車機構を3つに分類しています。
| 速度伝達比 | 分類 | 回転数 |
|---|---|---|
| i < 1 | 増速歯車機構 | n1 < n2 |
| i = 1 | 等速歯車機構 | n1 = n2 |
| i > 1 | 減速歯車機構 | n1 > n2 |
計算画面は、小歯車を駆動歯車として i = z2 ÷ z1 を表示します。z1 は z2 以下なので i は 1 以上(減速か等速)です。大歯車を駆動にすると速度伝達比は z1 ÷ z2 = 1 ÷ i になり、増速になります。
回転数の計算例
式 (2.1) を n2 について解くと、被動歯車の回転数は n2 = n1 × z1 ÷ z2 です。例: 歯数 12 の小歯車が毎分 1,800 回転(1,800 min⁻¹)で歯数 24 の大歯車を回すと、大歯車は 900 min⁻¹ です。
| z1(駆動) | z2(被動) | 速度伝達比 i | n1(min⁻¹) | n2(min⁻¹) |
|---|---|---|---|---|
| 12 | 24 | 2 | 1,800 | 900 |
| 20 | 50 | 2.5 | 1,500 | 600 |
| 13 | 40 | 3.077 | 1,000 | 325 |
回転の向き
資料は、外歯車どうしの1段歯車機構では、駆動歯車と被動歯車の回転方向は逆となるとしています。外歯車と内歯車のかみ合いでは回転方向は同じになり、ウォームギヤのかみ合いでは、ねじれ方向により回転方向が変わります。このアプリは外歯車どうしの平歯車を計算します。
ラックの移動量
ラックを使った1段歯車機構では、ピニオンの歯数を z1 として、ピニオンが角度 θ だけ回転したときのラックの移動量 ℓ を次の式 (2.2) で求めます。資料は、この式の πm をラックのピッチとしています。
1回転(θ = 360°)では π × m × z で、「平歯車・ラックの寸法計算」の式 (4.2) と同じです。資料は、この移動量は歯車の転位には影響されないとしています。例: モジュール 3・歯数 12 のピニオンが 90° 回るとラックは 28.274 mm、1回転で 113.097 mm 動きます。
出典
- 小原歯車工業(KHK)歯車技術資料「1段歯車機構」(2.1 速度伝達比)
- 小原歯車工業(KHK)歯車技術資料「平歯車・ラックの寸法計算」(4.1 表4.1 標準平歯車の計算・表4.2 歯数の求め方)
- 小原歯車工業(KHK)歯車技術資料「歯車記号と用語」(1.2 表1.2〜表1.4)
小原歯車工業の技術資料は、冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があるとしています。
モジュールと歯数から中心距離・基準円直径・歯先円直径