標準平歯車の寸法を、モジュールと歯数から求める式と計算例です。
モジュールと歯数から中心距離・基準円直径・歯先円直径
標準平歯車の計算式
小原歯車工業(KHK)の歯車技術資料「平歯車・ラックの寸法計算」は、標準平歯車の寸法を表4.1(標準平歯車の計算)の式で求めています。標準平歯車とは転位ゼロ(転位なし)の平歯車のことで、互いの基準円が接する状態でかみ合います。
記号に添字 1・2 をつけて、小歯車と大歯車を区別します(z1 は小歯車の歯数、z2 は大歯車の歯数)。m はモジュール、α は基準圧力角です。表4.1 の計算例は α 20° で、このアプリも 20° で計算します。
歯先円直径が d + 2m になるのは、基準円から歯先までの歯末のたけ(1.00m)が直径の両側にあるからです。歯底円直径 d − 2.5m は、基準円から歯底までの歯元のたけ(1.25m)を両側から引いた値です(歯末のたけ・歯元のたけは KHK「歯車の歯形及び寸法」の表3.1)。
計算例(モジュール 3・歯数 12 と 24)
表4.1 の計算例は、モジュール 3・基準圧力角 20°・小歯車の歯数 12・大歯車の歯数 24 です。式に代入すると次のとおりで、資料の計算例と同じ値になります。
- 中心距離 a =(12 + 24)× 3 ÷ 2 = 54.000 mm
- 基準円直径 d1 = 12 × 3 = 36.000 mm、d2 = 24 × 3 = 72.000 mm
- 歯先円直径 da1 = 36 + 2 × 3 = 42.000 mm、da2 = 72 + 2 × 3 = 78.000 mm
- 歯底円直径 df1 = 36 − 2.5 × 3 = 28.500 mm、df2 = 72 − 2.5 × 3 = 64.500 mm
- 基礎円直径 db1 = 36 × cos 20° = 33.829 mm、db2 = 72 × cos 20° = 67.658 mm
| 計算項目 | 記号 | 小歯車(mm) | 大歯車(mm) |
|---|---|---|---|
| 基準円直径 | d | 36.000 | 72.000 |
| 基礎円直径 | db | 33.829 | 67.658 |
| 歯末のたけ | ha | 3.000 | 3.000 |
| 歯たけ | h | 6.750 | 6.750 |
| 歯先円直径 | da | 42.000 | 78.000 |
| 歯底円直径 | df | 28.500 | 64.500 |
図は、2つの歯車の基準円が中心を結ぶ線の上で1点で接するように描いています。小歯車の歯先円は、大歯車の中心から 54 − 21 = 33.000 mm の所までで、大歯車の歯底円の半径 32.250 mm の手前で止まります。その差 0.750 mm が頂げき c(0.25m)です。
モジュールを変えたときの例(歯数 20)
歯数を 20 にそろえてモジュールを変えると、直径も歯たけもモジュールに比例して大きくなります(d = zm・h = 2.25m)。次の表は、このページを作るときに計算画面と同じ式で計算した値です(d は基準円直径、da は歯先円直径、df は歯底円直径、h は歯たけ・単位はどれも mm)。
| m | d | da | df | h |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 20.000 | 22.000 | 17.500 | 2.250 |
| 1.5 | 30.000 | 33.000 | 26.250 | 3.375 |
| 2 | 40.000 | 44.000 | 35.000 | 4.500 |
| 2.5 | 50.000 | 55.000 | 43.750 | 5.625 |
| 3 | 60.000 | 66.000 | 52.500 | 6.750 |
表示の桁
寸法の表示は小数第3位までです(表4.1 の計算例と同じ桁・第4位を四捨五入)。速度伝達比は小数第3位まで表示します。計算の途中では丸めません。モジュールが 1.25 や 1.375 のように小数第3位より細かい値だと、歯底円直径などは四捨五入した値になります(例: モジュール 1.25・歯数 15 の歯底円直径は 15.625 mm、歯元のたけ 1.5625 mm は 1.563 mm と表示)。
出典
- 小原歯車工業(KHK)歯車技術資料「平歯車・ラックの寸法計算」(4.1 表4.1 標準平歯車の計算・表4.2 歯数の求め方)
- 小原歯車工業(KHK)歯車技術資料「歯車の歯形及び寸法」(3.1 表3.1 歯形に関する用語・表3.2 モジュールの標準値)
- 小原歯車工業(KHK)歯車技術資料「歯車記号と用語」(1.2 表1.2〜表1.4)
小原歯車工業の技術資料は、冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があるとしています。
モジュールと歯数から中心距離・基準円直径・歯先円直径