説明

基準円直径とピッチ円直径の違い(基礎円直径・歯先円直径・歯底円直径も)

歯車の5つの円の直径と、基準円とピッチ円が同じになるときの説明です。

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モジュールと歯数から中心距離・基準円直径・歯先円直径

歯車の円の名前と記号

KHK の「歯車記号と用語」の表1.2 は、歯車の円の直径を次の名前と記号で書いています。KHK の資料は、JIS B 0121(歯車記号)と JIS B 0102(歯車用語)が ISO 規格に準拠した表記法(JIS B 0121:1999・JIS B 0102:1999)に改定されたのに合わせて、技術資料の表記をそろえたとしています。

用語記号標準平歯車の求め方例(m 3・z 12・mm)
基準円直径dz × m36.000
ピッチ円直径dw2a × z1 ÷(z1 + z2)36.000
歯先円直径dad + 2m42.000
基礎円直径dbd × cos α33.829
歯底円直径dfd − 2.5m28.500

ピッチ円直径の例は、相手の歯車の歯数が 24・中心距離 a が 54.000 mm のときの値です。

標準平歯車では、ピッチ円直径は基準円直径と同じ

「平歯車・ラックの寸法計算」は、かみ合いピッチ円直径 dw を中心距離 a から次の式 (4.1) で求めています。

dw1 = 2a × z1 ÷(z1 + z2) dw2 = 2a × z2 ÷(z1 + z2)

標準平歯車の中心距離 a =(z1 + z2)× m ÷ 2 をこの式に代入すると、dw1 = z1 × m、dw2 = z2 × m になり、基準円直径と同じ値です。資料も「標準平歯車においては、互いの基準円が接する状態でかみ合います。」としています。例(モジュール 3・歯数 12 と 24・中心距離 54.000 mm)では dw1 = 2 × 54 × 12 ÷ 36 = 36.000 mm、dw2 = 72.000 mm です。

転位した歯車では、ピッチ円直径は基準円直径と違う

同じ資料の表4.3(転位平歯車の計算)は、モジュール 3・歯数 12 と 24 の歯車を、転位係数 x1 +0.6・x2 +0.36 で転位した例です。中心距離は 56.4999 mm になり、基準円直径は 36.000 mm・72.000 mm のままですが、かみ合いピッチ円直径は 37.667 mm・75.333 mm です。資料は「転位歯車はこのかみ合いピッチ円が接するかたちでかみ合います。」としています。

このアプリは転位なしの標準平歯車だけを計算するので、ピッチ円直径は基準円直径と同じです。転位した歯車の中心距離や歯先円直径は、表4.1 の式では求められません。

基礎円直径

KHK の「インボリュート曲線」は、インボリュート曲線を、基礎円に巻きつけた糸を引きほどくときに糸の先端が描く曲線としています。基礎円直径は db = d × cos α で、基準圧力角 20° なら基準円直径の 0.9397 倍です(cos 20° = 0.9397)。同じ資料の表3.4 の歯車(モジュール 5・圧力角 20・歯数 30)は、基準円直径 150・基礎円直径 140.95389・歯先円直径 160 です。

「インボリュート歯車のかみ合い」は、インボリュート歯車の接触点は基礎円の共通接線(作用線)の上を移動していくとし、一対の歯車がかみ合う条件として、基礎円ピッチ pb が等しいことが必要だとしています。

基礎円ピッチ pb = π × m × cos α(3.4)

例: モジュール 3・基準圧力角 20° の基礎円ピッチは 8.856 mm です。

歯先円直径と歯底円直径

歯先円直径は基準円直径に歯末のたけの2倍を加えた直径、歯底円直径は基準円直径から歯元のたけの2倍を引いた直径です。並歯では歯末のたけが 1.00m、歯元のたけが 1.25m なので、da = d + 2m、df = d − 2.5m です。

表4.3(転位平歯車)の歯底円直径の式 df = da − 2h を標準平歯車に当てても同じ値になります。例: 歯数 12 では 42.000 − 2 × 6.750 = 28.500 mm で、表4.1 の歯底円直径 28.500 mm と同じです。

出典

小原歯車工業の技術資料は、冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があるとしています。

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