説明

歯車の中心距離の求め方(中心距離から歯数を決める方法も)

中心距離は歯数の和とモジュールで決まります。中心距離から歯数も求めます。

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モジュールと歯数から中心距離・基準円直径・歯先円直径

中心距離の式

中心距離(組立距離)a は、2つの歯車の軸の中心の間の距離です(KHK「歯車記号と用語」の表1.2)。標準平歯車は基準円どうしが接してかみ合うので、中心距離は2つの基準円の半径の和です。表4.1 の式は次のとおりです。

a =(z1 + z2)× m ÷ 2 = d1 ÷ 2 + d2 ÷ 2

例: モジュール 3・歯数 12 と 24 では a =(12 + 24)× 3 ÷ 2 = 54.000 mm で、基準円直径 36 mm と 72 mm の半分ずつの和とも同じです。

モジュールz1z2中心距離 a(mm)速度伝達比 i
1204030.0002
2205070.0002.5
2.5185490.0003
3122454.0002

中心距離と速度伝達比から歯数を求める

表4.2(歯数の求め方)は、初めにモジュール m・中心距離 a・速度伝達比 i が決まっていて、歯数 z1・z2 を求める方法です。表4.1 の中心距離の式と速度伝達比の式(i = z2 ÷ z1)を、歯数について解いた形です。

z1 + z2 = 2a ÷ m z1 =(z1 + z2)÷(i + 1) z2 = i ×(z1 + z2)÷(i + 1)
  1. 歯数の和 = 2 × 54 ÷ 3 = 36
  2. z1 = 36 ÷(1.25 + 1)= 16
  3. z2 = 1.25 × 36 ÷(1.25 + 1)= 20

資料の計算例(モジュール 3・中心距離 54.000・速度伝達比 1.25)も、歯数の和 36・z1 16・z2 20 です。計算画面では「求めるもの」で「中心距離から歯数」を選ぶと、この計算をします。

歯数が整数にならないとき

資料は「この例のように歯数がうまい具合に整数となって計算されるとは限りません。そんな時は歯車を転位したり、はすば歯車にすれば必要な速度伝達比に近い値を得ることが可能です。」としています。

計算画面では、歯数の和(=中心距離)を変えずに z1 を前後の整数にした組と、その速度伝達比を表示します。例えばモジュール 3・中心距離 54・速度伝達比 1.3 では z1 = 36 ÷ 2.3 = 15.652 になり、近い組は次の2つです。

z1z2速度伝達比 i中心距離 a(mm)
15211.454.000
16201.2554.000

標準平歯車では作れない中心距離

標準平歯車の中心距離は(z1 + z2)× m ÷ 2 なので、2a ÷ m が整数にならない中心距離は、そのモジュールの標準平歯車では作れません。例: モジュール 3 で中心距離 56.5 mm は 2 × 56.5 ÷ 3 = 37.667 で、近い中心距離は 55.500 mm(歯数の和 37)と57.000 mm(歯数の和 38)です。

KHK の「歯車の転位」は、切下げを防ぐほかに、中心距離を調節するためにも歯車の転位はよく使うとしています。表4.3 の例では、モジュール 3・歯数 12 と 24 の歯車を転位して、中心距離を 56.4999 mm にしています(標準平歯車なら 54.000 mm)。転位した歯車の寸法は、このアプリの範囲の外です。

中心距離の誤差とバックラッシ

KHK の「中心距離精度」は、中心距離の誤差は歯車対のバックラッシに影響するとしています。中心距離が大きくなればバックラッシは大きくなり、かみ合いが浅くなり、かみ合い歯たけが小さくなり、かみ合い率が低下します。中心距離が小さくなるとバックラッシが小さくなり、小さくなり過ぎると歯車が回らなくなる可能性があります。

同じページには、JGMA 1101-01(2000)から抜粋した平歯車及びはすば歯車の中心距離の許容差の表(歯車の精度等級 N3〜N10)があります。計算画面の中心距離は基準の値で、許容差は含みません。

出典

小原歯車工業の技術資料は、冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があるとしています。

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