限界揚水量と適正揚水量を求めるときに迷いやすい所です。
段階揚水試験の揚水量と水位降下量から適正揚水量と比湧出量
揚湯量と揚水量は違う物ですか
同じ考え方の量です。温泉の資料(環境省のガイドライン・富山県の要領)は、温泉をくみ上げる量を揚湯量と書き、限界揚湯量・適正揚湯量・段階揚湯試験と呼んでいます。水井戸の資料(水道技術研究センター・大阪府の資料)は、揚水量・限界揚水量・適正揚水量・段階揚水試験と書いています。
限界揚水量を自動で決めないのはなぜですか
出典の方法は、どれも両対数グラフの折れ曲がりを読む方法で、傾きの数で決める決まりはありません。環境省のガイドラインの表1 では、60→90 L/分の区間の傾きは計算すると 1.07 で1を超えますが、限界揚湯量は 90 L/分と判断されています。表4 の例は、傾きがどれも1より緩くても、折れ曲がりの点を限界揚湯量としています。このアプリは傾きとグラフを並べ、段は人が選びます。
変曲点が点と点の間にあるときは
環境省のガイドラインの図1〜5では、変曲点は2本の直線が交わる所に描かれていて、段の点と点の間にあることもあります。事例では段の揚湯量を限界揚湯量にしていて、このアプリも段の揚水量から選びます。富山県の要領は、限界揚湯量は段階揚湯試験の最大揚湯量を超えないこと、としています。
段が4つより少ないときは
環境省のガイドラインと水道技術研究センターは5段階以上、富山県の要領は4段階以上を基本としています。このアプリは2段から計算しますが、5段より少ないときは、計算の画面にその旨を表示します。環境省のガイドラインは、採取可能な量が少ないときは、その範囲内で可能な段階を設定し、更に少なければ連続揚湯試験のみを実施するとしています。
揚水量が同じ段や、水位降下量が減った段があるときは
そのまま入力できます。揚水量が同じ2点の間の傾きは決まらないので「—」と表示します。揚水量が増えたのに水位降下量が減った区間は、傾きが負の数になります。環境省のガイドラインのエアリフトの事例(表7)には、どちらもあります。
安全率はどれを選びますか
井戸の用途と、許可や設計で使う基準に合わせます。温泉の動力装置の許可は都道府県の要領(富山県は限界揚湯量×0.8以下)、水道は水道施設設計指針の70%以下、工業用水道は80%が目安、簡易水道は渇水期の限界揚水量の50%が標準です(水道技術研究センターの解説)。
比湧出量の読み方は
ひゆうしゅつりょうと読みます。湧出量(ゆうしゅつりょう)に「比」を付けた語で、水位降下量 1 m あたりの揚水量です。式と単位は「比湧出量の計算と単位」にあります。
計算結果の扱い
- 適正揚水量は、連続揚水試験で水位が安定するかを確かめてから決めます。
- 温泉の揚湯量は、都道府県の揚湯試験実施要領などの決まりに従います。最後の判断は、試験を行った技術者と許可・設計の基準によります。
出典
段階揚水試験の揚水量と水位降下量から適正揚水量と比湧出量