器具のガス消費量・同時使用率・標準ガス発生能力を入力して、50kg 容器の本数を求める手順です。
入力する値と順番
JAFMEC の入力例ガイドブック(LPガス編)は、「容器の本数を算定するにしても、配管口径を算出するにしても、まず最大ガス消費量を把握すること」としています。計算の画面も、最大ガス消費量 Q を求めるところから始めます。
- 建物を選びます。「一般」は同時使用率を器具の数と用途で決める建物、「共同住宅」は同時使用率を戸数で決める建物です。
- 器具のガス消費量の合計(kW)を入力します。器具ごとのガス消費量に個数を掛けて合計した値で、同時使用率 100 % のときの値です。共同住宅は全戸の合計です。
- 同時使用率 η(%)を入力します。共同住宅は、先に戸数を入力します。戸数を入力すると、欄の下に消費状況(ピーク時間)の推定が表示されます。
- 容器の標準ガス発生能力 K(kg/h・本)を入力します。外気温・ピーク時間・ガスの種類で変わる値なので、表から選んだ値を入力します。
- 一般の建物は、1日の実使用時間 t(h/日)と容器の交換日数 d(日)も入力します。2つとも入力すると、交換周期に基づく本数も計算します。
器具のガス消費量について、同じ資料は「燃焼器具の消費量は設計基準にあるものは優先し、基準になくてもよく使用する器具については製造者カタログ値等を参考に採用」したとしています。最大ガス消費量が先に分かっているときは、合計の欄に Q を入力して、同時使用率を 100 % にします。
計算結果の読み方
大きく表示するのが「50kg ボンベの設置本数」です。一般の建物では、使用量に基づく本数 Bn1 と交換周期に基づく本数 Bn2 の大きい方を、整数に切り上げた本数です。共同住宅では Bn1 を切り上げた本数です。すぐ下に、予備側にも同じ本数を並べたときの本数(2 倍)を表示します。
その下に、Bn1・Bn2(0.1 本単位に切り上げた値)、最大ガス消費量 Q(kW)、最大ガス流量(kg/h と m³/h)が並びます。Bn1 と Bn2 のうち、設置本数を決めた方を太字にします。「計算の内訳」には、数値を代入した式と、計算の前提が表示されます。
例: 一般と共同住宅
一般の例(JAFMEC p.131)は、二口テーブルコンロ 4.48 kW × 3 個、グリル付三口テーブルコンロ 8.25 kW × 3 個、炊飯器 1.96 kW × 2 個、瞬間湯沸器 32 号 68.60 kW × 1 個の合計 110.71 kW です。同時使用率 70 % で Q は 77.5 kW、外気温 5 ℃・ピーク時間 1.5 時間の K = 3.9 から Bn1 は 1.5 本、1日の実使用時間 1.5 時間・交換日数 10 日から Bn2 は 1.7 本。大きい方を切り上げて 2 本です。資料は「一般的には2本×2本の4本立て」としています。
共同住宅の例(JAFMEC p.130)は 14 戸で、1 戸に二口テーブルコンロ 4.48 kW・炊飯器 1.96 kW・瞬間湯沸器 20 号 44.20 kW の合計 708.96 kW、同時使用率 52 % で Q は 368.7 kWです。14 戸のピーク時間の推定は 2.0 hで、外気温 5 ℃ の K = 3.6 から Bn1 は 5.7 本、設置本数は 6 本です。計算の画面に同じ値を入力すると、同じ計算結果が表示されます。
このアプリで求めない物
- 配管の口径と圧力損失。JAFMEC の資料は、LPガス配管の大原則として、自動切替調整器以降の圧力損失を 550 Pa 以内(自動切替がない小規模な場合は 300 Pa)としています。本数とは別の計算です。
- 気化装置を使う場合の本数。計算の画面は、容器の自然気化で供給する場合の本数です。
- 50kg 以外の容器の本数。式の W(容器1本の容量)と K は 50kg 容器の値です。
出典
- 一般社団法人 日本設備設計事務所協会連合会(JAFMEC)「給排水衛生設備計算ソフト2019 入力例ガイドブック LPガス編」(p.128 概要説明・p.130〜131 LPG 容器の算定)