使用量に基づく本数と交換周期に基づく本数を求め、大きい方を切り上げます。
2つの本数と設置本数
どちらの式も、日本設備設計事務所協会連合会(JAFMEC)の「給排水衛生設備計算ソフト2019 入力例ガイドブック LPガス編」の、LPG 容器の算定(一般)の式です(p.131)。資料は「いずれか大きい値が設置本数として自動入力されます」としています。共同住宅の式は Q に 1.1(11 戸からは 0.7 × 1.1)を掛けます(「共同住宅のガスボンベの本数」の話題)。
式の読み方
Q ÷ 14 は、最大ガス消費量を kg/h に直した値(最大ガス流量)です。これを容器1本の標準ガス発生能力 K で割ると、ガスを最も多く使うときに、容器が何本分の発生能力を要するかがわかります。三重県の申請書の記入例も、必要本数を「最大消費数量 ÷ 容器1本当たりガス発生能力」で求めています。
Q × t ÷ 14 は、1日に使うガスの量(kg)です。これに交換日数 d を掛けると、交換するまでに使うガスの量になり、容器1本の容量 W(50 kg)で割ると、交換までに使い切る本数になります。Bn1 は発生能力の側から、Bn2 は交換までに使うガスの量の側から求めた本数で、設置本数はその大きい方です。
14 の意味
式の 14 は、kW を kg/h に直す数です(1 kg/h のガスが 14 kW に当たる)。三重県の記入例も「kW から kg/h への換算値:1/14」と書き、GHP 51.2 kW × 17 台 = 870.4 kW を 870.4 ÷ 14 = 62.2 kg/h としています。
日本LPガス協会の資料の単位発熱量は、プロパンで 51.24 MJ/kg です。1 kWh は 3.6 MJ なので、51.24 ÷ 3.6 = 14.23 kWh(1 kg あたり)です。式の 14 はこの値に近い数で、計算の画面も資料の式どおり 14 で計算します。
切り上げの向き
JAFMEC の例では、一般の Bn1 が 77.5 ÷(3.9 × 14)= 1.419 で、表示は 1.5 本です。共同住宅の Bn1 も 5.632 が 5.7 本です。どちらも四捨五入ではなく、0.1 本単位の切り上げです。計算の画面も Bn1・Bn2 を 0.1 本単位に切り上げて表示し、設置本数は大きい方を整数に切り上げます。
| 例 | 計算した値 | 表示(本) | 設置本数(本) |
|---|---|---|---|
| JAFMEC 一般 Bn1 | 1.419 | 1.5 | 2 |
| JAFMEC 一般 Bn2 | 1.661 | 1.7 | |
| JAFMEC 共同住宅 Bn1 | 5.632 | 5.7 | 6 |
| 三重県の記入例 | 31.086 | 31.1 | 32 |
三重県の記入例は、62.2 ÷ 2.0 = 31.1 から「32本(片側)採用」としています。
Q ごとの使用量に基づく本数(一般)
最大ガス消費量 Q ごとに、資料にある3つの標準ガス発生能力で Bn1 を求めると次のとおりです(このページを作るときに、計算の画面と同じ式で求めた数値です。単位は本で、かっこの中は整数に切り上げた本数です。予備側は含みません)。3つの K の条件は次のとおりです。
- K = 3.9: 外気温 5 ℃・ピーク時間 1.5 h(JAFMEC の一般の例)
- K = 3.6: 外気温 5 ℃・ピーク時間 2 h(JAFMEC の共同住宅の例)
- K = 2.0: 気温 0 ℃・連続使用(三重県の記入例(高圧ガス保安協会の表から))
| Q(kW) | K = 3.9 | K = 3.6 | K = 2.0 |
|---|---|---|---|
| 20 | 0.4(1) | 0.4(1) | 0.8(1) |
| 50 | 1.0(1) | 1.0(1) | 1.8(2) |
| 77.5 | 1.5(2) | 1.6(2) | 2.8(3) |
| 100 | 1.9(2) | 2.0(2) | 3.6(4) |
| 150 | 2.8(3) | 3.0(3) | 5.4(6) |
| 200 | 3.7(4) | 4.0(4) | 7.2(8) |
| 300 | 5.5(6) | 6.0(6) | 10.8(11) |
同じ Q でも、K が小さいほど本数は多くなります。表の K は資料にある条件の値なので、ほかの外気温・ピーク時間では表から K を選び直してください。
最大ガス流量(kg/h・m³/h)
m³/h への換算には、日本LPガス協会のプロパンの産気率 0.502 m³/kg(1 m³ = 1.99 kg)を使います。JAFMEC の例の最大ガス流量は、一般が 2.8 m³/h、共同住宅が 13.2 m³/h で、この換算で求めた 2.8 m³/h・13.2 m³/h と同じです。
出典
- 一般社団法人 日本設備設計事務所協会連合会(JAFMEC)「給排水衛生設備計算ソフト2019 入力例ガイドブック LPガス編」(p.130〜131 LPG 容器の算定)
- 三重県 防災対策部 消防・保安課「特定供給設備の位置及び構造等の明細書」(液化石油ガス・貯蔵施設、特定供給設備に関する手続き/特定供給施設(容器)の添付書類の例)(別紙−1 貯蔵設備、調整器及びガスメーターの選定根拠)
- 日本LPガス協会「プロパン、ブタン、LPガスの立方メートルからキログラムへの換算係数について」(産気率・単位発熱量)