等摩擦法は、単位摩擦損失を一定にしてダクトの径を決めるやり方です。
ダクトの径の出し方(等摩擦法)
狙った単位摩擦損失になる径を解き、規格径に切り上げます。単位摩擦損失は Darcy-Weisbach の式、摩擦係数 f は Colebrook-White の式を反復で直接解いた値です(近似式や線図は使いません)。
単位摩擦損失の参考値(実務の慣用値): 住宅の低圧ダクトで 0.8〜1.0 Pa/m 前後(0.10 in.wg/100ft ≒ 0.82 Pa/m)。
単位摩擦損失 Δp/L = f ÷ D × ρ v² ÷ 2
1 ÷ √f = −2 log10( ε ÷ (3.7 D) + 2.51 ÷ (Re √f) )
Re = ρ v D ÷ μ (層流 Re < 2,300 は f = 64 ÷ Re)
ρ = p ÷ (287.042 × (t + 273.15)) (乾き空気・t = 20℃)
p = 101,325 × (1 − 2.25577×10⁻⁵ × 標高)^5.2559 (標準大気)
風速で決まる風量 = 風速の上限 × 断面積 × 3,600
D は径(m)、v は風速(m/s)、ε は管の内面の粗度、μ は空気の粘性(1.825×10⁻⁵ Pa·s・20℃の値)です。径も、径から通せる風量も、二分法でこの式を逆に解いて出します。
例: 風量 1,000 m³/h・単位摩擦損失 1.0 Pa/m・スパイラル(ε 0.15 mm)なら、必要径 275.2 mm を規格径 φ300 に切り上げます。φ300 での風速は 3.93 m/s、単位摩擦損失は 0.652 Pa/m(Re 77,787・f 0.0210)です。切り捨てて細い径にすると、単位摩擦損失が狙いを超えます(ファンが足りない側)。
管材ごとの粗度 ε(ASHRAE Fundamentals Ch.21 の粗さの分類): スパイラル 0.15mm・はぜ継ぎ 0.09mm・平滑管 0.03mm・内貼り 0.90mm・フレキ 3.00mm。ε を取り違えると、同じ径でも通せる風量が大きく変わります。
給気と還気の単位摩擦損失を2本同時に固定するのは、iPhone アプリ「かんたんダクト」の Pro(買い切り)です。
前提と、含まないもの
- 直管の摩擦だけを計算します。局部抵抗(エルボ・分岐・ダンパ)、送風機の特性、消音、防火区画は含みません。
- 空気は 20℃ の乾き空気として密度と粘性を出します。標高を入れると大気圧だけが変わります。
- 風速の上限は実務の慣用値(参考値)です。この風速域(商業の主管・高速)では、大きい径ほど風切り音が出やすくなります。
- 参考値です。最終判断は設計図書と有資格者によります。
出典
- ASHRAE Handbook — Fundamentals(Ch.1 標準大気・Ch.21 ダクトの設計と管の粗度の分類)
- Colebrook-White の式(摩擦係数)
規格・便覧の表と条文は載せていません。式と、出典の名前と分類だけを引いています。