露点と外の面の温度を比べて結露を判定し、要る保温の厚さを出します。
結露するかと、何mm巻けばよいか
周囲の空気の露点と、ダクトの外の面の温度を比べます。外の面が露点より低ければ結露します。保温を巻くと外の面の温度が上がるので、外の面が「露点 + 1K」になる厚さを解き、既製厚さ(10・15・20・25・32・40・50・65・75・100 mm)に切り上げて答えます。
t_a は周囲の温度、t_i はダクト内の空気の温度です。平板近似(熱抵抗の直列)で、丸ダクトの曲がりは見ていません(平板近似は厚い側に出ます)。露点は Hyland-Wexler の飽和水蒸気圧の式を逆に解いて出します(氷点下で露点を低く見る近似式は使いません)。
例(外装アルミ箔・露点の余裕 +1K・海面):
| 周囲の温度・湿度/ダクト内の空気 | 答え | 計算した厚さ | 無保温の外の面 | 露点 |
|---|---|---|---|---|
| 30℃・85%/14℃(梅雨) | 保温 65 mm | 60.4 mm | 18.0℃ | 27.2℃ |
| 32℃・70%/16℃(夏の天井内) | 保温 15 mm | 14.1 mm | 20.0℃ | 25.8℃ |
| 30℃・75%/15℃(厨房) | 保温 20 mm | 20.0 mm | 18.8℃ | 25.1℃ |
| 30℃・50%/20℃ | 結露しません | — | 22.5℃ | 18.4℃ |
| 30℃・95%/14℃ | この条件は保温では防げません | — | 18.0℃ | 29.1℃ |
「この条件は保温では防げません」と出るのは2つの場合です。①露点(余裕こみ)が周囲の空気の温度に届いている=どれだけ巻いても外の面は露点より上がりません。②計算では出るが既製厚さ(100 mm)を超える=100 mm に丸めて「大丈夫」とは書きません。どちらも、除湿するか、周囲の空気を入れ替える側の話になります。
ダクト内の空気が周囲より暖かいとき(暖房の往きなど)は、外の面が露点を下回ることはありません。「結露」の画面は、送風温度が周囲より低いとき(冷房)の計算です。
外装と露点の余裕(既定は厚い側)
保温厚をいちばん動かすのは、外の面から空気へ熱が伝わる速さ(外表面の熱伝達率 h_o)です。アルミ箔で仕上げた面(5.0 W/m²K)は、外装なしの静止空気(9.3 W/m²K)より熱が伝わりにくいので、同じ条件でも厚く巻く必要があります。梅雨の例(30℃・85%/14℃・余裕なし)では、アルミ箔で 40 mm、外装なしで 20 mm です(余裕 +1K を含む「結露」の画面の既定では 65 mm)。
露点の余裕 +1K は、現場の温湿度計のずれ(±5%RH 相当)を厚い側に見るためのものです。「結露」の画面は外装アルミ箔・余裕 +1K の既定(どちらも厚い側)で計算します。
外装(表面の熱伝達率)と露点の余裕は、iPhone アプリ「かんたんダクト」の Pro(買い切り)で変えられます。判定と保温厚は、「結露」の画面で出ます。
出典
- ASHRAE Handbook — Fundamentals(Ch.23/Ch.26 外表面の熱伝達率の帯)
- Hyland-Wexler の飽和水蒸気圧の式
- 既製厚さ: 一般的な在庫の刻み(参考値)
規格・便覧の表と条文は載せていません。式と、出典の名前と分類だけを引いています。