延べ実労働時間数は、度数率と強度率の分母になる、全労働者の実労働時間の合計です。
死傷者数・休業日数と延べ実労働時間数から
数える労働者
労働災害動向調査は、調査期間中の全労働者の延べ実労働時間数を調べています。事業所の全労働者には、常用労働者だけでなく臨時・日雇労働者を含め、事業所で働く派遣労働者と出向者も含めます。他企業への出向者と、請負事業で働く労働者は含めません。
総合工事業調査(工事現場)では、直用・下請を問わず、調査期間中に工事現場で働くすべての労働者を数えます。元請が工事現場の度数率を求めるときは、協力会社の労働者の時間も集めます。
実労働時間
労働災害動向調査の用語の説明は、延べ実労働時間数の数え方を細かく書いていません。同じ厚生労働省の毎月勤労統計調査は、実労働時間数を「調査期間中に労働者が実際に労働した時間数」とし、休憩時間は除くとしています。早出・残業・臨時の呼出・休日出勤などの所定外労働時間数も、総実労働時間数に含めます。
職場のあんぜんサイトの説明でも、度数率は統計をとった期間中の死傷者数を、同じ期間中の延べ実労働時間数で割った数値です。所定の時間ではなく、実際に働いた時間で数えます。
集め方
自社の労働者は、賃金台帳の労働時間数を合計します。賃金台帳には、労働者ごとに労働日数・労働時間数と、時間外・休日・深夜の労働時間数を記入します(労働基準法施行規則 第54条)。管理監督者など労働基準法第41条に当たる労働者は、賃金台帳に労働時間数を記入しなくてよいので(同条第5項)、別に集めます。
派遣労働者と工事現場の下請の労働者は、自社の賃金台帳に載っていません。派遣元や協力会社から時間数を集めて加えます。
記録が無いときの目安として、北海道労働局の記入要領は「労働者数50名×週40時間×50週=100,000」という例を載せています。1人 2,000 時間 の計算です。実際の時間(残業・休日出勤を含む)が分かるときは、そちらを使います。
期間をそろえる
死傷者数・延べ労働損失日数と、延べ実労働時間数は、同じ期間で数えます。労働災害動向調査は1月から12月までの1年の状況を調べています(令和7年の調査は令和7年1月から12月まで)。年度で集計する様式もあるので、提出先の様式の期間に合わせます。
期間が1年より短いとき(工期の短い工事現場など)は、延べ実労働時間数が小さくなり、死傷者が1人出ただけで度数率が大きく変わります。
出典
- 厚生労働省「令和7(2025)年 労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)の概況」(令和8年6月16日): p.1 調査の時期・調査事項・p.4 全労働者
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査で使用されている主な用語の説明」: 実労働時間数(調査期間中に労働者が実際に労働した時間数・休憩時間は除く)・総実労働時間数=所定内労働時間数+所定外労働時間数(早出・残業・臨時の呼出・休日出勤等)
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「度数率、強度率、年千人率」: 統計をとった期間中の死傷者数・延べ労働損失日数を同じ期間の延べ実労働時間数で割ること・年千人率
- 労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号): 第54条(賃金台帳の記入事項・法第41条の労働者)
- 北海道労働局「安全衛生管理計画書 記入要領」: 延労働時間数の例(労働者数50名×週40時間×50週=100,000)