令和7年の労働災害動向調査から、建設業の度数率と強度率を抜き出しました。
死傷者数・休業日数と延べ実労働時間数から
総合工事業(工事現場)
労働災害動向調査の総合工事業調査は、労災保険の概算保険料が160万円以上又は工事の請負金額が税抜き1億8,000万円以上の工事現場のうち、工事の期間が155日以上などの条件に当たる現場から、工事の種類と請負金額ごとに無作為に選んだ約5,600の工事現場を調べています。工事現場で働く労働者は、直用・下請を問わず全員を数えます。
| 区分 | 度数率 | 強度率 | 死傷者1人平均 労働損失日数(日) |
|---|---|---|---|
| 総合工事業 | 1.89 | 0.29 | 151.8 |
| 土木工事業 | 1.99 | 0.83 | 417.2 |
| 建築事業 | 1.86 | 0.14 | 76.8 |
| 請負金額 10億円以上 | 1.84 | 0.11 | 59.8 |
| 請負金額 5億円以上10億円未満 | 1.48 | 0.41 | 274.6 |
| 請負金額 5億円未満 | 2.43 | 0.68 | 279.1 |
度数率は土木工事業 1.99・建築事業 1.86 と近い値ですが、強度率は 0.83 と 0.14、死傷者1人平均労働損失日数は 417.2 日と 76.8 日です。強度率は災害の重さの程度を表すので、同じ頻度でも重い災害の多い工事の種類では大きくなります。
第3表は一時労働不能の度数率を休業日数で分けていて、総合工事業(度数率 1.89)では休業8日以上 0.84・休業4〜7日 0.13・休業1〜3日 0.86 です。
総合工事業の推移
| 年 | 度数率 | 強度率 | 死傷者1人平均 労働損失日数(日) |
|---|---|---|---|
| 令和4年 | 1.47 | 0.22 | 153.2 |
| 令和5年 | 1.69 | 0.29 | 174.2 |
| 令和6年 | 1.91 | 0.57 | 296.6 |
| 令和7年 | 1.89 | 0.29 | 151.8 |
令和6年の強度率 0.57 は、令和7年の 0.29 のほぼ2倍です。死亡の度数率も令和6年 0.07・令和7年 0.03 で、死亡など労働損失日数の大きい災害の数によって、強度率は年ごとに大きく動きます。
事業所規模100人以上の建設業
事業所調査の建設業は、総合工事業を除いた職別工事業と設備工事業です。値は事業所規模100人以上の事業所のものです(調査産業計と製造業は比べるために載せました)。
| 産業 | 度数率 | 強度率 | 死傷者1人平均 労働損失日数(日) |
|---|---|---|---|
| 調査産業計 | 2.01 | 0.09 | 45.7 |
| 建設業(総合工事業を除く。) | 0.69 | 0.12 | 180.3 |
| 職別工事業(設備工事業を除く) | 1.79 | 0.56 | 312.1 |
| 設備工事業 | 0.53 | 0.06 | 117.6 |
| 製造業 | 1.33 | 0.07 | 51.6 |
比べるときの注意
- 範囲をそろえる: 総合工事業の値は工事現場ごとの調査で、下請の労働者も含みます。事業所調査の値は事業所規模100人以上の事業所の値です。
- 期間をそろえる: 調査は1月から12月までの1年です。
- 数える死傷者をそろえる: 休業1日以上の死傷者と、身体の一部かその機能を失った死傷者です。不休災害と通勤災害は含めません。
- 小さい事業場と工期の短い現場は、1件で値が大きく動きます(延べ実労働時間数 100,000 時間で1人なら度数率 10.00)。
厚生労働省の「活用のススメ」は、自分の職場の度数率・強度率を求めて同じ業種の値と比べ、具体的な数値目標を決めることを勧めています。
出典
- 厚生労働省「令和7(2025)年 労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)の概況」(令和8年6月16日): p.1 調査対象(総合工事業調査)・p.4 全労働者・第1表・第3表・表1
- 厚生労働省「労働災害動向調査 労働災害率(度数率・強度率)活用のススメ」(令和8年6月): 同じ業種の値と比べて、具体的な数値目標を決める(p.3)