座標法の倍面積の公式と、倍面積から面積を求める方法です。
境界点の X・Y 座標から、座標法で面積と倍面積
座標法とは
座標法は、境界点の座標値から計算で面積を求める方法です。農林水産省の測量作業規程は、地積測定を「原則として座標法又は数値三斜法によるものとする」(第657条)、用地測量の面積計算を「原則として座標法により行うものとする」(第724条)と定めています。岐阜県の土地改良事業測量作業規程(付録と別表は農林水産省の測量作業規程を準用)も、地積測定と面積計算の方法を同じ字で定めています。
不動産登記規則 第77条は、地積測量図に「地積及びその求積方法」「筆界点間の距離」「筆界点の座標値」を記録すると定めています。座標法の計算の表は、どの座標からどう面積を求めたかを示す表で、座標求積表とも呼ばれます。
倍面積の公式
= −Σ{X(i+1) − X(i−1)}× Y(i)
面積 = |倍面積| ÷ 2
n 個の境界点を境界線に沿って順に並べ、i 番目の点の座標を X(i)・Y(i) とします。1番目の点の前の点(i − 1)は n 番目の点、n 番目の点の次の点(i + 1)は1番目の点です。各点で、次の点と前の点の Y 座標の差に、その点の X 座標を掛けて合計した値が倍面積です。
X と Y の役割を入れ替えた2行目の式(次の点と前の点の X 座標の差に、その点の Y 座標を掛けて合計)でも、符号が逆の同じ大きさになります。茂原市の面積(座標法)計算書は、合計の行に2つの式の値を並べて「倍面積」としています。
倍面積とは(なぜ2で割るのか)
倍面積は、その名のとおり面積の2倍の値です。公式は、各辺と Y 軸のあいだにできる台形の面積を、符号を付けて合計した式を並べ替えた物です。辺 i → i+1 の台形は、平行な2辺が X(i) と X(i+1)(Y 軸からの符号つきの距離)、高さが Y(i+1) − Y(i) なので、その面積の2倍は{X(i) + X(i+1)}×{Y(i+1) − Y(i)}です。境界を1周すると、土地の外の部分は打ち消し合い、土地の面積の2倍だけが残ります。この式を展開して、同じ X(i) を掛ける項をまとめると、上の公式になります。
座標が 0.001 m 位なら、X(i) ×{Y(i+1) − Y(i−1)}は 0.000001 m² 位でちょうど割り切れます。倍面積までは端数が出ないので、茂原市の面積(座標法)計算書も倍面積を小数第6位まで載せ、2で割った面積で端数を処理しています。
測量作業規程 第657条第2項は、区域に含まれる各筆の合計地積と、区域の外周による地積が等しいかを点検し、「その場合、倍面積にて点検するものとする」と定めています。使い方のページの例の6点を、対角線 A–D で ABCD と ADEF の2つに分けると、倍面積は 839.738253 m² と 537.359638 m² で、合計は外周の倍面積 1,377.097891 m² とちょうど同じです。ところが、0.01 m² 未満を切り捨てた面積は 419.86 m² と 268.67 m² で、合計 688.53 m² は外周の 688.54 m² と 0.01 m² 違います。
符号と点の順(右回り・左回り)
平面直角座標系の X 軸は真北に向かう値を正、Y 軸は真東に向かう値を正とする軸です(国土調査法施行令 別表第一の備考)。北を上にした図で点を右回り(時計の針と同じ向き)に並べると Σ X(i) ×{Y(i+1) − Y(i−1)}は正、左回りに並べると負になります。数学の座標(横が x 軸)では左回りが正なので、向きが逆です。X と Y の向きが、数学の座標と入れ替わっているためです。
面積は絶対値を2で割るので、点の順の向きによらず同じです。使い方のページの例の6点は、A から F の順では Σ が -1,377.097891(左回り)、F から A の逆の順では 1,377.097891(右回り)で、面積はどちらも 688.54 m² です。
計算の例(台形で確かめる)
X 方向の長さが 20 m で、Y 方向に平行な2辺の長さが 12 m と 15 m の台形で、公式を確かめます(単位は m)。
| 測点名 | [1] X(i) | [2] X(i+1)−X(i−1) | [3] Y(i) | [4] Y(i+1)−Y(i−1) | [2]×[3] | [1]×[4] |
|---|---|---|---|---|---|---|
| P1 | 0 | 20 | 0 | -12 | 0 | 0 |
| P2 | 20 | 20 | 0 | 15 | 0 | 300 |
| P3 | 20 | -20 | 15 | 12 | -300 | 240 |
| P4 | 0 | -20 | 12 | -15 | -240 | 0 |
| 合計 | -540 | 540 |
Σ [1]×[4] = 540 なので倍面積は 540 m²、面積は 540 ÷ 2 = 270 m² です。台形の公式(上底 + 下底)× 高さ ÷ 2 =(12 + 15)× 20 ÷ 2 = 270 m² と同じです。Σ [1]×[4] が正なので、この並び(P1 → P2 → P3 → P4)は右回りです。
出典
- 農林水産省 農村振興局「測量作業規程」本文(令和7年7月)第657条 地積測定の方法・第724条 面積計算の方法・第632条 計算結果の表示単位・第717条 境界測量の方法
- 岐阜県農政部農地整備課「岐阜県土地改良事業測量作業規程」第5節 地積測定・第8節 面積計算
- 不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第77条 地積測量図の内容・第99条 地目・第100条 地積(e-Gov 法令検索)
- 国土調査法施行令(昭和二十七年政令第五十九号)別表第一 備考(X 軸は真北・Y 軸は真東に向かう値を正)(e-Gov 法令検索)
- 茂原市「施行済地区における換地図等の閲覧」面積(座標法)計算書(大芝一丁目)
境界点の X・Y 座標から、座標法で面積と倍面積