「動力」と「吐出量」の2つの画面の、入力のしかたと計算結果の読み方です。
吐出圧力と吐出量・全効率から、所要動力(kW)と電動機の出力
所要動力を求める(「動力」の画面)
油圧ユニットの電動機の大きさを決めるときの画面です。ポンプの吐出圧力 P と吐出量 Q、ポンプの全効率 η から、ポンプを回すのに要る動力(所要動力 L)を求めます。
- 「吐出量の入力」で「吐出量 Q」を選びます(開いたときはこちらです)。ポンプ容量と回転数から求めるときは「ポンプ容量 q と回転数 N」を選びます。
- 吐出圧力 P(MPa)を入力します。ダイキンの油圧講座の計算例では、油圧回路の設定圧力を使っています。
- 吐出量 Q(L/min)を入力します。「ポンプ容量 q と回転数 N」を選んだときは、ポンプ容量 q(cm³/rev)と回転数 N(min⁻¹)を入力します。容積効率 ηv(%)は分かるときだけ入力します。
- ポンプの全効率 η(%)を入力すると、所要動力 L(kW)と電動機の出力の目安(kW)、効率を含めない有効動力(kW)が表示されます。
例: 吐出圧力 5 MPa・吐出量 30 L/min・効率 80 % なら、所要動力は 3.125 kW を切り上げて 3.2 kW、電動機の出力の目安は 3.7 kW です。ダイキンの「よくわかる油圧講座」の計算例と同じ数です。
吐出量を求める(「吐出量」の画面)
ポンプのカタログにあるポンプ容量(1回転当たりの吐出量)と、電動機の回転数から、1分間の吐出量を求める画面です。
- 画面の上部の「吐出量」を選びます。
- ポンプ容量 q(cm³/rev)を入力します。
- 「回転数」で「極数・周波数から」を選び、電源周波数(50 Hz か 60 Hz)と電動機の極数(2P・4P・6P)を選んで、スリップ率 S(%)を入力します。電動機の回転数が分かっているときは「回転数 N を入力」を選びます。
- 吐出量 Q(L/min)と電動機の回転数 N(min⁻¹)、もう一方の周波数のときの吐出量が表示されます。
例: ポンプ容量 15 cm³/rev・4P・スリップ率 4 % なら、50 Hz で 1,440 min⁻¹・21.6 L/min、60 Hz で 1,728 min⁻¹・25.9 L/min です(ダイキンの油圧講座の「回転数と流量計算例」)。
計算結果の読み方と丸め
いちばん上の大きな数が計算結果です。「動力」の画面では、その下に入力した数で組んだ式と、切り上げる前の数を1行で表示します。「計算の内訳」を開くと、使った式と途中の数、動力損失と発熱量、定格出力の列が表示されます。
所要動力は、ダイキンの計算例の「必要動力を求めているので切り上げています」にならって切り上げます。1 kW 以上は小数第1位まで、1 kW 未満は 0.4 kW・0.75 kW の電動機と比べられるよう小数第2位までです。たとえば 7 MPa・2.5 L/min・効率 70 % の所要動力 0.416667… kW は 0.42 kW と表示します。吐出量は小数第2位を四捨五入して小数第1位まで(1 L/min 未満は小数第2位まで)表示します。
空の欄があるあいだは計算結果を表示しません。0 や負の数、数でない字、100 % を超える効率を入力したときは、どの欄を直せばよいかを1行で表示します。
この計算が決めないこと
ポンプの全効率・容積効率・電動機のスリップ率は、この計算では決めません。ポンプと電動機のカタログの値を入力します。ダイキンの油圧講座もスリップ率について「正確な数値はメーカのカタログ等で確認してください」としています。電動機の出力の目安は定格出力の列から選んだ値で、実際の電動機は、ポンプのカタログの所要動力と合わせて設計者が決めます。
出典
- ダイキン工業 油機事業部「よくわかる油圧講座 12 油圧使用単位と計算例」: 3-1 吐出量の計算例・4-3 回転数と流量計算例・5-1 動力の計算例
- 日進油圧工業「参考資料(油圧基本計算式)」(PDF): ポンプ所要動力・ポンプ吐出量の式
- 建築研究所 建築研究資料 No.187「建築物の設備・機器のエネルギー効率に関する既存試験方法の調査」第8章 電動機(2017年9月): p.124 高効率低圧三相かご形誘導電動機の定格出力