電動機の回転数は、電源周波数と極数、スリップ率で決まります。
吐出圧力と吐出量・全効率から、所要動力(kW)と電動機の出力
電動機の回転数の式
N = 120 × f × (1 − S) ÷ 極数
N は電動機の回転数(min⁻¹)、f は電源周波数(Hz)、S はスリップ(すべり)率です。ダイキンの油圧講座では「電動機の回転数(min-1) = 120 × 電源周波数(Hz) × (1 − S) ÷ 電動機の極数(P)」、日進油圧工業の参考資料では「ポンプ回転数 N = 120・f・(1 − S) ÷ PM(PM は電動機の極数)」と書かれています。電源周波数は東日本が 50 Hz、西日本が 60 Hz です。一般的な三相誘導電動機には 2極(2P)・4極(4P)・6極(6P)などがあります。
スリップ率
スリップ率は、計算上の回転数と、実際のロータの回転数との差を比率で表したものです。電動機はロータが回転トルクを生むために、計算上よりわずかに少ない回転数で回ります。ダイキンの油圧講座の目安は、電動機(IE1)で 4〜5 % 程度、電動機(IE3)で 2〜3 % 程度です。すべり率は電動機の容量や負荷率などで変わるので、正確な値はメーカーのカタログで確認します。
極数と周波数ごとの回転数(スリップ率 0)
スリップ率 S = 0 とした回転数です(ダイキンの油圧講座の「電源周波数・極数と回転数一覧」と同じ数)。実際の回転数は、スリップ率の分だけ少なくなります。
| 極数 | 50 Hz(min⁻¹) | 60 Hz(min⁻¹) |
|---|---|---|
| 2P | 3,000 | 3,600 |
| 4P | 1,500 | 1,800 |
| 6P | 1,000 | 1,200 |
回転数と流量計算例(ダイキンの油圧講座)
1回転当たりの吐出量 15 cm³/rev のポンプを、4P・スリップ率 4 % の電動機で回すと次のとおりです。東日本の回転数は 120 × 50 × (1 − 0.04) ÷ 4 = 1,440 min⁻¹、西日本は 120 × 60 × (1 − 0.04) ÷ 4 = 1,728 min⁻¹ です。
| 電源周波数 | 回転数(min⁻¹) | 吐出量(L/min) |
|---|---|---|
| 50 Hz(東日本) | 1,440 | 21.6 |
| 60 Hz(西日本) | 1,728 | 25.9 |
ダイキンの油圧講座は「同じ油圧ポンプを使用した場合、東日本と西日本では最大吐出量が異なります」としています。60 Hz の吐出量は 50 Hz の 1.2 倍です(25.92 L/min を小数第1位に丸めて 25.9 L/min)。
スリップ率で変わる吐出量
同じ 15 cm³/rev・4P・50 Hz でも、スリップ率で回転数と吐出量は少し変わります。このページを作るときに、計算の画面と同じ式で求めた数です。
| スリップ率 | 回転数(min⁻¹) | 吐出量(L/min) |
|---|---|---|
| 0 % | 1,500 | 22.5 |
| 2 % | 1,470 | 22.1 |
| 3 % | 1,455 | 21.8 |
| 4 %(計算例) | 1,440 | 21.6 |
| 5 % | 1,425 | 21.4 |
ダイキンの油圧講座の目安では IE3 の電動機(2〜3 % 程度)は IE1(4〜5 % 程度)よりスリップ率が小さいので、同じポンプでも回転数と吐出量が少し大きくなります。
出典
- ダイキン工業 油機事業部「よくわかる油圧講座 12 油圧使用単位と計算例」: 4-1 電動機の極数・4-2 電動機の回転数・4-3 電源周波数・極数と回転数一覧と回転数と流量計算例
- 日進油圧工業「参考資料(油圧基本計算式)」(PDF): ポンプ回転数 N = 120・f・(1 − S) ÷ PM
吐出圧力と吐出量・全効率から、所要動力(kW)と電動機の出力